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2015/11/29

57)越市長と本ブログについて

 明日の市議会で越市長が正式に出馬報告をされると聞きます。越市長が市長の重責をさらに担い続けようとのお考えならこの4年をどのように総括されるか、その上で次の4年をどんな姿勢で取り組まれるのか、聞く人の心の底に届く言葉できちんと語っていただきたいと思います。
 改革を後戻りさせないと仰るなら改めていまこの時代における越市長の改革とは何なのか、その先にどんな世界が待っているのかを明確に市民に伝えるべきでしょう。
 また、改革をうんぬんされる越市長の自己変革こそ重要であると私は考えており、いつぞやの市長への手紙でもそのことをお伝えしました。もし、万一、越市長に真に謙虚な自省があるならば反省のポーズなどは不要だと思います。

 このブログで候補者を論評しないことを既に書きました。しかし、その後も何人かの知人からより良い市政の実現を望むなら態度を明確にすべきだとの意見をもらいました。
 ここ2~3日の投稿コメントでも、今後の市政に関してかなり踏み込んだご意見がありました。
 例えば「越直美氏のような市長に正当性を与えることがないまちづくりを茂呂は目ざしているのではないか?」、「新しい市長によるマネーロンダリングのような『市政洗浄』を経て3年保育の中身をこしらえるべきである」、「教育委員会と力を合わせようとしない姿勢で本当にいい教育ができるのか?落選させた方が早い」等々。
 私も心を許す内輪の集まりでは率直に意見を言いますし、その中身はもっと厳しく悲観的です。なぜブログで旗色鮮明にしないのか。もう一度ここでご説明したいと思います。

 と書いたところで私より先に辞任したもう一人の副市長とかつて交わした会話を思い出しました。
 越市長と私たちの3人の協議が済み市長室を退出してからのことです。彼は「茂呂さんが市長に反対するときの根拠は何か?」と聞きました。私は「市民にとって良いか悪いかが判断基準だ」と答え、以下、次のようなやり取りが続きました。
 彼「市長のやりたいことが、あなたから見て市民の利益に合わないと思ったらどうするか?」
 私「市長に理解してもらえるよう説明をつくす」
 彼「市長があくまでやりたいといったらどうするか?」
 私「市長に反対する。逆に聞くがあなたはどうか?」
 彼「自分は市長を補佐するために副市長をしている。市長の思いを叶えてあげたい」
 私「市民か市長かの二択になったらどうするか?」
 彼「究極のところで市長のいうところに従うのが副市長の役割だと思う」
 私「究極の二択になったら当然市民だ。それが公務員の役割だ」

 再現するといい歳をして何やら青臭い議論をしたように思えてきますが、越市長にどのように向き合うかという話の成り行きでこうなりました。「市長か市民か」などという二択は通常あり得ませんし、それを回避して市政運営の安定を図るのが副市長の務めであることは言うまでもありません。
 彼も私も市長の方針に反対せざるを得ないのはよほどの事態であると考えていましたが、二人の基本スタンスの違いが明らかになったやり取りでした。2人の副市長がこのような会話を交わすような市政運営でもありました。彼も私も市役所を去ったのでここに記す次第です。
 
 私は、このブログも市長のためではなく、市民のために行っているつもりです。
 今の越市政においては「市長のため」と「市民のため」が乖離しています。
 私の辞任理由もそれ、ブログ運営の理由もそれです。
 しかし既に述べたように市の施策はどれも「悪い顔」をしておらず、市政運営の問題点を市民に分かりやすくお伝えすることは容易ではありません。加えて世間では公務員に対して「親方日の丸でぬるま湯につかっている」という類型的な見方があります。改革を唱える若い女性市長について行けない職員あがりの副市長が辞めた後でまだぶつくさ言っている、と捉える方がおられたとしても私は一向に驚きません。
 そうした中で越市長の市政運営の現状をそのままの形で市役所の外にお伝えすることは困難です。市民の利益、不利益に関わる問題であってもコップの中の嵐と言われかねません。
 その壁を越えてきちんとした言葉を届けるためには、私自身がニュートラルな立場で冷静、客観的に事実を並べていくことしかないと思い、そのように努めてきました。
 繰り返しますが私が特定候補をブログ上で応援すると、そのためにブログを始めたのであろうという見方が必ず出てきます。そうなると「越市政の現状を認識していただく」というブログの目的が色眼鏡で見られます。そのことはブログを読む人にとって客観的な現状認識の妨げとなります。

 私は、(越市長には余計なお世話かも知れませんが)自分の知り得た事実をきちんとお伝えすることが公務員としてやり残した使命であると考えてこのブログをやっています。実はけっこう切実な気持ちでやっているのです。偏らず開かれた場であると認められてこそ「情報広場」も立ち上がるのだと思います。おかげでブログがある種の公共性を帯びてきているとも感じます。
 このようなブログの目的を僅かでも損ないたくないと考えるゆえ、候補者の評価も行わないというスタンスを守りたいと思います。
 したがって越市長についても、1月の市長選の候補者ではなく現職の市長として、1期4年間の市政運営を取り上げて論じるつもりです。同一人格ですから分離が難しい点もありますが、越市長の掲げられる2期目に向けての理念や政策については論評しません。何といっても現職ですから今の姿をしっかり眺めることが大事であり、論より証拠だと思っています。

 コメント投稿してくださる方々に対して「言論統制」はできませんが、こうしたブログの趣旨をご理解くださるようお願い申し上げます。
 なお、公務員に対するステレオタイプの解釈にふれました。
 私は身びいきで公務員を擁護するものではありませんし、越市長と同様に職員も常に自分を省みてあるべき公務を追求すべきだと思っています。とはいえ、世論がこうした先入観に頼ることは生産的ではなく公共サービスの貧困化にもつながっていきます。越市長が保育士、保健師、教諭、司書等々の専門職を減らしていこうとお考えのようですが、私にはコインの裏表のような気がします。
 市民から見てどうか?という視点から常に問い返されなければならないと思います。
 皆さんと共に明日の越市長の言葉をかみしめたいと思います。




 

2015/11/27

56)越市長の3年保育発言など

 にわかに多数のコメントが寄せられたので私も参加したいと思います。
 改めて「3年保育」の意味についてですが、保育園が0歳から5歳児までを対象とするのに対し市立幼稚園は4歳と5歳児が対象(2年保育)です。しかし幼稚園に3歳児を預けたいという声は根強く、制度的にも可能です。幼稚園で3歳児を受け入れることが「3年保育」です。
 いままで3年保育に否定的であった越市長が突然、保護者に対してその実施を予告されたことが波紋を広げています。

 ことの次第は、11月24日、志賀南幼稚園でさわやかミーティングがあり越市長と保護者(他園の保護者も参加)の意見交換があった。そこで越市長は平成29年度から3年保育を実施する考えを表明された。市の「あり方検討」で3年保育への言及はあるものの結論に至っていなかったので担当課があわてた、ということのようです。この事実関係にもし誤りがあればご指摘ねがいます。
 志賀地域では以前に行われていた3年保育の復活を望む声が大きく、保護者は急な方針転換に戸惑いつつも大いに喜ばれたことと思います。経過はともかく、良い結論に達したのだからそこを評価すべきだというコメントもありました。私も結果オーライだと思いつつ、ここにも越市政の特徴が出ていると思わざるをえません。

 前回も書きましたが、市立幼稚園での3年保育の必要性は教育委員会がずっと越市長に真剣に訴えてきたことです。その理由は市民ニーズがある、幼稚園教育の面で利点がある、待機児童解消に役立つ、しかも保育所新設より格段に安い(2歳児以下には対応できないが)等というものであったと思います。
 これに対し越市長は一貫して、幼稚園は定員割れしており再編が第一の課題である、3年保育もエアコン設置もその後の話である、ともかく保育園を優先したいとのスタンスをとってこられました。紆余曲折の後エアコン設置には理解を示されましたが、3年保育の協議は私の知る限り常に「門前払い」でした。
 それがどうしてこんなに急に変わったのか?
 変わった結果が保護者から歓迎されることであったとしても、どうも腑に落ちません。

 確かに「幼稚園のあり方検討」は行われたようですが、3年保育に限らず他のテーマでも結論ありきではなかったか?保護者や現場の声が反映されたかどうか?このあたりは内部事情であり私の知るところではありません。
 しかし11月24日の市長発言が、必要十分な検討の結果を踏まえ、きちんとした意思決定の過程を経て、議会にも説明ずみの内容、すなわち外に出して差し支えない段階に達した情報であったとは、私にはとても考えられません。
 別の角度から見ると、3年保育を望んでいる保護者に対し、市政の最高責任者が29年度にそれを実現したいと語ったわけです。ところが来年1月には市長選がある。3年保育の実現はその後の話である。この話を聞いた保護者は胸の中でどのように考えられたでしょうか?
 これらのことについて、私は担当課のけなげな職員の見解ではなく越市長ご自身の見解を伺いたいところです。越市長、いかがでしょうか?

 越市長の言動に一々ケチをつける気持ちはありませんし、誰しも時に喋り過ぎたりするものです。しかし私は、今回の件が公民館、図書館、ケアセンター等のありかた検討と相通じるものがあると思っています。これらは越市長の結果への訂正要求、検討動機の曖昧化、結果ありきの検討の実例集だと私は考えます。そして今回は結果説明のフライングというべきでしょうか。私はこうした越市長の様々な検討が本来の目的からそれて世論をミスリードすることを恐れます。トップダウンで丁寧な議論をすっ飛ばして速さを誇示する「越流改革」は禍根を残します。
 この意見に対して越市長のご意見を伺いたいと思います。
 ついでながら、越市長が適切な時期に説明責任を果たされるべきであると私がブログで指摘した案件もあります。ブログへの投稿ではなく市民への説明としてなされるものと考えています。

 いただいたコメントの中に「アンチ越は極左の集まり」という表現がありました。「アンチ越」にも「極左」にも失礼だと思いましたが、これも情報広場の多様性と自分を納得させて公開しました。
今後このようなレッテル貼りは控えられるようお願いをいたします。

 「前副市長は越市長を責めるばかりで自分に非がないかの如くである」とのご意見を謹んで伺いました。私は越市長の市政運営に大きな問題があることについて、市長を補佐すべき自分の責任を免れないと考えて引責辞任をしたものです。いまも責任を痛感していることがブログ主宰の動機になっています。市民に市政運営の実態を客観的に冷静にお伝えすることが私の使命だと考えています。

 若手市議の会参加レポートで「結の湖都」の解説をしていただいています。次回の私の記事は、その後追いになってしまいますが負けないように記述したいと思います。





2015/11/25

55)大津のまちの歩み(その2)

 前回の記事(大津市政24)で60年間の都市像を振り返りましたが、若手市議の会の集まりに参加された方が当日の私の話を要約して本ブログに投稿してくださるという、ややこしくも有り難い事態となりました。要約は正確であり、ところどころにご本人の感想が付記されています。
 私は講演会で草稿なしに話した内容を思い出してここに書くつもりでしたが、この方のおかげで都市像変遷の説明はほとんど不要となりました。どなたかは存じませんが心からお礼を申し上げます。

 都市像の変遷をふり返って再確認したことでもありますが、恵まれた自然、国土における程よい位置、豊かな歴史文化遺産などが大津の都市としての基本的性格を形成しており、ポテンシャルともなっています。労せずしてこれだけの基礎があることに私たちは意識的であるべきだと思います。そして、これらの財産を大切に生かしながら、どのような政策でこの都市の質と魅力をさらに高めるのかがまず行政に問われます。

 ここで市民意識調査にふれますが、本年1月実施の調査結果では「暮らしの環境」の23評価項目のベスト5は(1)自然が豊かである、(2)自然災害や火災が少なく安全である、(3)静かで空気がきれいである、(4)京都・大阪に近く便利である、(5)自然や町などの景観が良い、です。1位から4位までは自然的地理的条件、5位はこれをベースに人為の要素が加わったものです。これらは毎回の調査でトップグループです。
 下を見ると、町なかにごみが少ない(8位)、子どもを産み育てやすい(12位)、買物が便利(14位)、散歩道や公園が整備され利用しやすい(17位)となっており、人の力で左右しうる項目の順位が低い(すなわちマイナス評価である)ことが分かります。
 ワースト3は、スポーツや趣味の活動が盛んである(21位)、公共サービスが充実している(22位)、まちに賑わいがあり活力を感じる(23位)です。
 市民は、都市の基本的性格を高く評価し、一方、人為の結果である「賑わいや活力の不足」や「公共サービスの充実」に厳しい目を向けておられるように思います。
 市民意識調査は政策実施の唯一の判断材料ではありませんが、都市のもつポテンシャルを生かしたまちづくりの重要性を改めて感じるところです。
 次回は「結の湖都」と越市政についてです。 

 なお、本日アップしたコメントに3歳児保育に関するものがありました。投稿者が「妻から聞いた話」として「志賀幼稚園で越市長が来年からの市立幼稚園での3歳児保育実現を明言された」というものです。投稿者自身が「伝聞の伝聞」だと慎重に断っておられ、歓迎の意を示しつつ今までは一体何だったのかと疑問を感じてもおられる様子です。
 保護者に向けての説明ならば一定の見通しのある話でしょうが詳細は分かりません。
 もし「来年からすべての市立幼稚園で実施する」ということであれば、保護者のニーズを踏まえた教育委員会のもっともな意見をずっと斥けてきた越市長は、一体どのような理由で方針を転換されたのでしょうか。越市長には関係者への説明責任があるでしょうし私自身も理由を伺いたいと思います。いずれにせよ事情が十分に明らかにされていないので今後の動向を注目していきたいと思います。








 

2015/11/24

54) 大津のまちの歩み

 さる11月21日、明日都浜大津で「若手市議の会」によるまちづくりを考える集いが開かれました。
 土曜日の午後でしたが熱心な聴衆と多数の記者がお越しになり、議員の「まちなか活動」に対する関心の高さを知ることができました。
 前半は皆さんが私のつたない話にお耳を傾けてくださり恐縮!感謝!のひと時。
 後半のパネルディスカッションでは各議員から今の市政に対する率直な感想や次期総合計画を展望した意見表明があり、私も多くのヒントをいただきました。
 
 今回はこの日の資料を転用?して大津のまちづくりの変遷をたどりたいと思います。以前に3人の市長を比較した時にやりたいと思ってできなかった試みですが、といっても大したことはありません。基本構想に描かれている「将来都市像」を手がかりに時代の変遷をたどり大津の特長を再確認するような作業です。
 そして最後に越市政は大津市基本構想の示すまちづくりの理念の実現にいかに近づき得たか?について考えます。

 都市像はその町がそのようにありたいと願う自画像であり、まちづくりのスローガンです。大切なものながら多くの市民がよくご存知であるとまでは言えません。これは行政のPR不足もありますが日々の生活に直接響く話でないことにもよるでょう。
 しかし政策体系は都市像を念頭において構築されていますし、私としては、今の都市像に込められた「結(ゆい):お互いさまの助け合いの精神」は今後とも重要であると思います。
 この項目は2~3回に分けて記述します。

大津市政 24 ~大津のまちのあゆみ~





 

大津市政 24  ~大津のまちの歩み~

 多くの先人のたゆまぬ営みの成果として今日があり、今日を生きる世代の働きも相まって明日のまちづくりにつながっていきます。各自治体は地方自治法に基づいて基本構想を策定し、その中でまちづくりの理念あるいは全ての住民の共通目標となる「将来都市像」を定めていますが、ここで大津の過去60年にわたる都市像の変遷をたどります。都市像は大きく変化する社会潮流の中でまちづくりの方向性を指し示す羅針盤とも言えることからその軌跡を振り返ることで今後のまちづくりを展望する契機としたいと考えます。そしてこの観点から今の市政の評価を試みます。
(都市像は以下の青字のタイトル。シンプルなものです)。

昭和20年代 「観 光 文 化 都 市」 
 戦後の復興期。観光遊覧が活発化する。琵琶湖が国定公園に指定されたこともあり大きな観光資源として評価される。
       昭和25年 琵琶湖国定公園指定、びわ湖競輪場完成
        26年 はり丸就航(琵琶湖汽船)
        27年 工場設置および拡張に係る固定資産減免条例
        28年 新日本電気㈱創業(ラジオ)
         〃  国産初の噴流式洗濯機(三洋電機)
        29年 国:神武景気始まる(~32年) 
         <昭和21年:人口76千人、面積62㎢>

昭和30年代 「産 業 都 市」   
 高度経済成長時代の到来。所得倍増計画が閣議決定される。工場誘致が活発化する。
      昭和30年 工場誘致条例制定
          〃  菱屋町商店街に市内初のアーケード設置            
        33年 大津国際文化観光都市建設に関する決議            
         〃  比叡山ドライブウェイ開通         
         〃  国:岩戸景気始まる(~36年)      
        34年 比叡山国際観光ホテル開業 
        35年 国:国民所得倍増計画閣議決定   
        36年 滋賀県工業開発促進条例、大津市民憲章制定
        39年 大津市食品卸売市場開場(打出浜)
         〃  大津市民病院新築完成 
        <35年国調:113千人、154㎢、一次産業9.2%・二次37.6%・三次53.2%>

昭和40年代 「健 康 都 市」    
 経済成長の負の側面として公害が社会問題化する。市民健康センターが開設される。
      昭和41年 奥比叡ドライブウェイ開通
          〃  南郷水産センター開設       
         42年 市役所現庁舎完成、堅田町・瀬田町と合併
          〃  勤労青少年ホーム開設(打出浜)
          〃  国:公害対策基本法公布
         44年 終末処理場完成(由美浜)、清掃工場完成(上別保)
         45年 平和堂石山店開店(市内初の大規模小売り店)
         46年 市民健康センター開設
         47年 第1回びわこを美しくする運動(自治連等90団体)
     <40年国調:121千人、154㎢、一次6.9%・二次38.4%・三次54.7%>

昭和49年 「市  民  都  市」  山 田 耕 三 郎 市 長 (昭47~55)
 大津に住んでよかったとしみじみ実感できる市民都市。乳幼児健診など福祉政策が充実する。
      昭和49年 乳幼児健診大津方式スタート
          〃  湖西線が営業運転開始、近江大橋有料道路が開通
         50年 市民会館開設 
          〃  多核的都市構想(学区ごとに支所整備)
          〃  花折トンネル開通 
      昭和51年 西武ショッピングセンター開店(県内初の百貨店)
         56年 びわこ国体・全国身体障害者スポーツ大会開催
          〃  大津駅前30メートル道路完工
          〃  浜大津総合ターミナル竣工
         57年 ミシガン就航
         <50年国調:191千人、304㎢、一次5.3%・二次36.4%・三次58%>  

昭和58年 「ふ る さ と 都 市」  山 田 豊 三 郎 市 長 (昭55~平15)
 伝統と文化、自然にはぐくまれた心かよう幸せなまち、ふるさと都市。23年余の間に都市基盤の整備が大きく進む。 
      昭和58年 市議会がふるさと都市宣言に関する決議
          〃  ふれあいの森オープン
         61年 国:バブル景気始まる(~平成3年)
      平成 元年 総合保健センター開設
          3年 大津祭曳山展示館開館
          4年 生涯学習センター開設
          7年 びわこ花噴水完成
         10年 市制100周年記念事業
          〃  なぎさ公園完成、明日都浜大津オープン
          〃  全国都市問題会議誘致
         15年 古都指定
         <60国調:234千人、304㎢、一次3.5%・二次34.3%・三次62.1%>

平成19年 「結(ゆい)の湖 都 大 津」  目 片 信 市 長 (平16~平24)
  変革の時代において、市民と行政の協働により、自立した都市経営を行い、魅力と活力あふれる都市を築く。省略せずに表記すると「人を結び、時を結び、自然と結ばれる 結の湖都 大津」
      平成16年 まちづくり行動計画「大津維新」策定
              乳幼児医療費助成拡充
              まちづくりパワーアップ事業
         17年 志賀町との合併、国調人口30万人突破
              大津放水路1期区間完成、湖西バイパス無料化
         18年 明日都浜大津再生(市民活動センター開設)
              皇子山球場改修工事完成
              新基本構想策定(都市像「結の湖都」)
         19年 新総合計画スタート(平成19年度~平成28年度)
                     小中学校体育館耐震化工事
              中心市街地活性化計画申請    
         21年 中核市へ移行
              木戸公民館オープン(合併建設計画の推進)
         22年 総合計画第2期実行計画スタート
              おごと温泉公園オープン  
         23年 大津市「結の湖都」協働のまちづくり推進条例施行
         <17国調:301千人、302㎢、一次1.6%・二次24.6%・三次71.5%>
         <22国調:341千人、464㎢、一次1.1%・二次22.4%・三次69.3%>

平成24年度 「結の湖都大津」 越 直 美 市長(第1期:平24年1月~28年1月)
 大津をもう一度活気ある町にしたい、笑顔あふれる大津にしたい。この4年間で大津を変えたい。※基本構想が受け継がれ「都市像」変更なし                              
     平成24年7月 いじめ事件が全国的な社会問題化   
            8月 集中豪雨による外畑町などの土砂災害 
          25年2月 教育長就任(空位解消)     
         〃  4月 いじめ対策推進室設置          
         〃 6月 中学校スクールランチ導入        
         〃 9月 台風18号による広範囲の水害   
         〃10月 副市長辞任(1名体制に) 
         〃12月 副市長就任(2名体制に) 
        26年3月 ごみ焼却施設2か所方針表明         
             〃  JR膳所駅改修着工 
            〃  教育長辞任(空位に) 
         〃 5月 副市長辞任(1名体制に)            
        27年1月 こども医療費小4から小6に(入院のみ)   
         〃 2月 明日都へ保健所、3師会移転        
         〃 8月 道の駅「妹子の郷」オープン 
         〃11月 JR大津駅外壁塗装工事着工
       28年  3月 公立小、中、幼エアコン導入完了予定
       <27年11月 342千人、464㎢>

 以上、大津の都市像の変遷とまちづくりの歩みを概観しました。雑な資料ですが全国的な潮流と本市のまちづくりの方向の関連性、1~2次産業から3次産業へシフト、ある時代の達成の多くの種が前の時代に蒔かれていること等が伺えます。
 大津の基本的性格である「京阪神にほど近い自然と文化に恵まれたまち」「ベッドタウン」「京都との隣接による中心性の低さ」「多様な地域の連合体」といった特色は一貫しているようです。
 そうした中、都市像は、観光文化  ⇒  産業  ⇒  健康  ⇒  市民  ⇒  ふるさと  ⇒  結の湖都 へと推移してきました。大きく見ると産業活動から人間のありようへ、人間においても身体から内面へというベクトルが働いているようです。特に現在の都市像は「結(ゆい)」というかつての地域組織の互助精神を打ち出したところが特徴的です。
 次回は現行の都市像に込められたまちづくりの理念が何かを確認し、それが越市政がそれに近づき得たかどうかを考えます。
 ◎追記 匿名の方から「若手市議の会 参加レポート」という連続コメントが寄せられています。 都市像の変遷について私がお話したことの要旨がまとめられています。お願いしたわけではないのですが正確な内容です。参考までにご覧ください。このコメントについては次回にふれます。 

2015/11/17

53) ブログの今後について

 本ブログ「大津通信」を始めた時点では、ひと通りの情報提供と問題提起を行い各方面のご意見も伺って一段落するのが年末あたりと見当をつけていたので、「棚田日詩」の友人には12月で終わると話していました。しかし、ことここに至ると市長選挙が大きな節目であるのは明らかです。
 また、約400件のコメントで「情報広場」が立ち上がってきたことも感謝しつつ考慮すべき事情となりました。そこであれこれ考え、本ブログは1月17日の市長選挙までは閉鎖しないことにいたしました。

 くり返して恐縮ですが、私は、越市長のことを「新自由主義的な考えを持つポピュリストであり、自らの発信力を生かした劇場型戦略で政治目的を達成しようとしているところの資質等に問題を抱えた首長」であると見なしています。 ⇒ 本ブログ記事 「つまるところ越氏はどのような市長か」
 しかも、発信力が高いのにまちづくりのビジョンを語ろうとされず、コミュニケーションの不足等から様々な場面で活躍する市民の力をそいだり失望をかうといった事態が再三起こっています。
 職員との相互不信は目を覆うばかりの状況です。議会でも不信の声が上がっています。
 「失政さがし」をするまでもありません。こうした状況は大津市にとって極めて大きなマイナスだと思います。

 ただしこれは私の意見です。意見を同じくする方々を私は多数知っており、寄せられたコメントの圧倒的多数が同様の見解であると思いますが、これらに対して異なる見方があるのは当然のことです。
 そうしたさまざまな意見が行きかってまちづくりの議論が深まることがブログの目的であることから、その最大の機会ともいえる市長選挙まではブログを継続することが妥当であるという判断に至ったわけです。
 このブログの主要テーマは何といっても「第1期越市政」ですから、もし、越市長以外の方が当選されたらブログを閉鎖します。越市長が再選されたらどうするか。これは私にとって難問ですが、その時にしっかり考えたいと思います。
 次回は市政シリーズに戻ります。



2015/11/15

52) 選挙に関して ・ その他お知らせ

 市長選には現職に続いて3番目の方も名乗りを上げると報道されており、候補者は少なくとも3人になる見込みです。このブログが大津市政の情報広場を目ざすなら候補者の政策を自由に論じてもいいではないかというご意見もあります。
 ここで改めて候補者を論評を控える個人的な理由を申し上げたいと思います。

 私の知識は現職に大きくかたよっており、他のお二人の候補者については報道された内容くらいしか知りません。今後の報道その他を加味しても情報量の差は圧倒的で、百対一どころではないと思います。結果として、私が候補者を比較検討したとしても、正確で均衡のとれたものとはなりえません。私はあくまで現職の第1期の市政運営に注目したいと考えます。これが第一の理由です。

 第二は、ブログ開設の趣旨を貫徹したいということです。
 もし私が論評の中で特定の候補者を積極的に評価した場合、その人を当選させる目的をもって早々と8月から中立的ブログを主宰してきたと断ずる人が必ず出てくるでしょう。
 もちろんそのような事実は全くないのですが、私としてはあらぬ疑いを未然に回避して記事を続け、多くの市民に越市政の実態を知っていただくことを最優先したいと考えています。
 それほどまでに、市役所の内部事情を正確に外部に伝えることは難しいと感じます。
 こうしたわけで候補者に関する論評は、私ばかりでなく投稿コメントにおいても控えていただきたいと思います。情報広場といいながら申し訳ありませんがご理解をお願いいたします。

 これに関連して(内部事情を外部に伝えることについて)ひとつ記します。
 関係者の間で越市長を支援するかどうかを決める際「失政があるかないか?」を判断材料とする考え方があると耳にしました。失政の有無が市長評価の尺度になり得ることは確かですが、この際くれぐれも注意が必要だと思うのです。
 すなわち、越市政のアウトカム、すなわち市民生活の接点は市の行う施策(小さな単位で見ると1,000を超える各種事業)の形で現れます。
 思いつくまま例をあげると「防犯カメラ設置補助事業」、「こども発達相談センター運営事業」、「高齢者生きがい就労サポート事業」、「福祉バス運行事業」、「民生委員児童委員活動推進事業」、「商店街基盤整備事業」、「放置自転車対策事業」、「私道整備補助事業」等々です。

 これらは条例や規則によったり総合計画に位置づけられたもので、議会の予算審議も経ており、最終的には市民生活の向上を目標にしています。考えれば当たり前の話ですが市の行う事業に原則として「悪いもの」はありません。私が疑問に思っている越市長の「保育所新設」や「小学校低学年への英語教育」にしても、それ自体が絶対的に悪いものではなく、相対的な「程度の問題」にすぎません(実は「程度」や「プロセス」が大事なのですがそれはすでに述べました)。
 まして現在、大津市が合併や新駅設置などの大きな課題に直面していない中では、一目でそれとわかる「失政」を探す方が難しいかもしれません。

 それでは越市政をよしとするのか。
 ここで越市長の本質が問われるのだと思います。まちづくりのビジョンはどうか、リーダーとしての資質はどうか、改革の理念はどうか、老若男女あらゆる市民に目を向けているか。
 これらを客観的かつ公平に判断することが「関係者」に求められているのではないでしょうか。

 私は、市の事業に悪いものはなく相対的な程度の問題であると単純な言い方をしました。
 たとえば保育所を作って待機児童を減らすことは大事ですが、約1,000億円の予算の内いくらを充てるかが問題です。いじめ対策も極めて大事ですが、かといって例えば100億円を出すわけにいきません。英語教育では予算ばかりでなくカリキュラムの問題があります。
 市の事業はこれら以外に、防災、福祉、介護、環境、産業、建設など多岐にわたります。その中には国との役割分担で必ず行わなければならない仕事も多数含まれます。
 選択と集中が大事であるといっても自ずから限度があり、ある分野をまったく手抜きにすることはできません。予算面から見ると、結局は相対的な支出バランスの問題に帰着します。これを絶対評価しようとするのが「失政の有無」で判定しようとする見方であると思います。

 ちなみに最近、越市長は民営化その他の重要案件について議会への説明を先延ばしにされると各方面から聞きます。ていねいな議会説明をおこない慎重な審議を求めていくことの重要性をご存知の越市長ですから、こうした話はおそらく何かの間違いだと思います。誤解が広まってはいけないと考えここに記す次第です。
 
 次はお知らせです。
 大津市議会には「若手市議の会」があって会派横断的な勉強会等が行われており、まちづくりに資することだと思います。この会からお呼びを受け、私が策定にかかわった総合計画などについて
お話をさせていただくことになりました。ちょうどブログでも大津のまちの歩みを長期スパンで振り返りたいと思っていたので力不足ながらお引き受けしました。
 私の話はほんの前座で、その後の若手議員の方々のパネルディスカッションがおおいに楽しみです。お時間がゆるせば是非おこしください。
 <11月21日(土)14時から16時まで ・ 明日都浜大津4階ホール>

 もう一つは、仰木や伊香立の里山の魅力を美しい写真で紹介しつつ環境や文化について考察を続けるブログ「棚田日詩」のご紹介です。
 「棚田日詩」の主宰者は、本ブログのトップ画面の写真(波打ち際のボトル)を撮ってくれた古くからの友人で、「やるからには格調高いブログにせよ」と私に注文をつけた人間でもあります。
 その後は私が掲載する写真のピント、絞り、トリミングなどについて厳しい意見を穏やかに語ることはあっても、記事の内容については特に感想を述べることはありませんでした。
 その彼が11月11日、「棚田日詩」で私のブログを取り上げてくれたので、一応認めてくれたのかと嬉しく感じた次第です。ついては、皆さまも是非一度「棚田日詩」をご覧いただきたいと存じます。
 大津を愛する市民が多数いることは本当に幸いであると思います。
 「棚田日詩」のURLは以下のとおりです。
            http://tanada-diary.com/diary





2015/11/14

51) 越市長の改革とは?

 11月12日の定例会見で越市長が出馬表明をされたとの報道がありました。越市長は「改革を進めて後戻りさせぬ」とおっしゃいます。では「越改革の行く先」は一体どんな世界なのでしょう。

 明治以降ひたすら改革を叫んで前進してきたわが国ですが、21世紀初頭を過ぎたいま社会は質的に大きく変化しています。人口はついに減少局面に入り、少子高齢化にも拍車がかかっています。家族や地域のありようも大きく変わりました。そして阪神、東日本につづく大規模地震の到来を明確に予期しつつ私たちは暮らしています。地球規模での環境問題もベースにあります。
 もちろん人々の価値観が変わらない筈がなく、社会を駆動させる基本ソフト(のようなもの)も変化しつつある気がします。こうした中での越市長の改革です。

 何のための、誰のための改革か? さしあたって誰が痛みを感じるのか? 長期的にはどうか?
 そもそも人口減少・少子高齢・災害想定社会における改革の理念は如何にあるべきか?

 越市長はこれらについて、自前の言葉でしっかりと市民に語りかける責務があります。
 私とて正解を知りませんが、それは越市長の目ざす新自由主義的な改革ではありません。
 数値評価と相いれない要素を含まざるを得ない気がしますし、少なくとも越市長お得意の民間導入、経費節減、制度改正といったたぐいの話ではないと思います。もし改革を唱えてさえいれば民意が得られるとお考えであれば、それは大きな間違いです。

 一方、市民も、越市長のこうした改革の理念や、これまで十分に明らかにされていないまちづくりのビジョン等を知りたいと思っておいででしょうし、「パワハラ疑惑」や「公文書消滅事象」にかかる市民への説明責任を果たされることを望む人々は多いはずです。1期の総括の上に2期の展望があります。
 通常の日程では11月30日の議会開会時に越市長は出馬の報告をされることとなりそうです。
 越市長が2期を目ざすにあたり、これら重要事項の説明責任をいかに果たされるか大いに注目したいと考えます。

 最後に越市長の「改革の先生」とも言うべき樋渡啓祐氏が、本年1月、佐賀県知事選で落選した際の越市長のコメントにふれます。ここから越市長の改革に対するイメージの一端を知ることが出来ます。
 樋渡氏は武雄市長として市民病院の民営化、図書館の指定管理導入(ツタヤ)、小学校へのタブレット導入による反転教育などを進めた人物ですが、越市長はこれらについて次のように述べておられます。以下は発言要旨。
「樋渡氏は病院、図書館、タブレットによる反転授業などの改革をされ、私もすごく多くのことを教えて頂いた。このように地方から民間手法を使ってより新しく発展的なことをやって多くの改革を進めることが本当の地方創生である。他にこのような方がいないので落選は残念である。日本の風土として出る杭は打たれる。樋渡氏も軋轢があったと思うが、このような人を評価する社会にならないと日本もこの先非常に暗い」(このコメントは「大津の図書館で起こったこと」の投稿者も紹介しておられます。関係資料7)

 まさに新自由主義改革礼賛だと私は感じますが、このような越市長が昨秋の議会質問まで図書館の民間導入を考えていなかったという説明は、これまたまさに、狐につままれた思いです。
 これでは昨秋の議会質問が「民意を読み切れていなかった愚問」になりかねません。見識ある議員もお困りのことでしょう。市長発言の影響は随所に及びます。
 それはさておき、越市長は周囲との軋轢を「出る杭は打たれる日本の風土で真の改革を進めようとする改革者の受難」と認識しておられるような気がします。
 そうであるならば、越改革がよくなる契機はあらかじめ失われていると私は思っています。

 額にしわを寄せてこれを記述していたら、たった今、私の元の若い仕事仲間が家族連れで立ち寄ってくれました。小学生のお嬢さんの作ったラスクを玄関先に置いて風のごとく帰って行きました。
 さっそく頂いたところ舌に甘味、心に滋味でした。感謝感謝です。
 多数の仲間を思うにつけ人間が人間らしく働ける職場が回復されることを願います。


 

 


2015/11/12

50) 図書館について(それはないでしょう越市長)

 しばらく更新できませんでしたが、あるじが席をはずしている間に客人の歓談が盛り上がるごとく「情報広場」では図書館に関する連続コメントを軸として様々なご意見が活発に行きかいました。
 折から越市長が図書館は直営でいく(自分は当初民営化など考えていなかった)と表明されました。驚きです。これに目をふさいで先に進むわけにはいきません。今回は図書館と越市長の関係をふり返ってみたいと思います。

 図書館に関するコメントは、図書館運営協議会のメンバーで後に「図書館を考える大津市民の会」のメンバーともなられた一市民から寄せられました(11月8日)。克明、真摯、客観的な書きぶりで大切な記録であると思っていたら、ご本人もまとめての発表を望んでおられると分かったので本ブログの「関係資料」として転載することとなりました。
 そのやりとりで判明しましたが投稿者は長年にわたり文庫活動に携わってきた方で、私も存じ上げている人物です。そのコメントは私が内側から見ていた動きと符合するものであり、信頼するに足るものだと考えています。

 この方は、市民本位の図書館を目ざす立場から越市長の民営化路線に強い警戒感を抱き、様々な活動を展開してこられました。今回の直営宣言を歓迎しつつ、一方で「たまたま昨秋の議会で指定管理の質問があったのでそれを契機に民営化の検討をしてみたまで」と言わんばかりの越市長の説明に不信感をもち、いつ事態が逆戻りするかとの懸念を捨てきれないようです。事情をよく知る私も腑に落ちない思いです。

 昨秋の議会質問が民営化検討の契機であるとの説明は教育委員会の報告書にもあると聞きましたし新聞報道もされました。これを虚偽であると断ずるのはいささか乱暴かも知れません。外形的な「正史」としてはこれでよしとしましょう。
 しかし、私の見聞の範囲においても、越市長は昨秋の議会質問のずっと前から武雄市をモデルとして大津の図書館を賑わいの拠点にしたいとの考えをお持ちであったはずです。当時テナントを募集していた明日都の空きスペースをめぐってもそのような発言がありました。そのような経過をことさら隠す必要があるのでしょうか。

 越市長がお忘れかも知れないので、平成25年5月10日、越市長と担当副市長が揃って図書館に行かれた時の状況を記しておきます。これは越市長もご存知の事情により私が図書館長から聞き取った話をまとめたものです(当時市長にもお見せしてあります)。長くなりますが以下に引用します。

・これまでに他部局職員から図書館について聞かれたり、明日都の図面を見たりと断片的な情報に触れていたが、教委での議論も無い中で何が進行しているのかと不審の念を抱いていた。
・5月8日ごろ、秘書課長から武雄市出張の話を聞いたが、自分としては目的、必要性が全く理解できなかった。この時期に武雄市を視察することは指定管理導入の検討だと推測したが、そうした方向性は議論もされておらず館長として困った状況になったと感じた。そこで行く気持ちはないと返答した。
・5月10日に市長・副市長が来られたので、自分としてはこれまでの経過があるので緊張していた。市長から「なぜ行けないか」と問われたので、端的に行けない理由をお話しした。いきなりNOのお答えをする結果となったが自分としては問われるままに説明したつもりである。
・市長には、図書館として指定管理は考えていないこと、県の図書館行政の中でも考えたほうがよい問題であることも付け加えてお話した。武雄市に行くなら当初の賑わいがおさまり平常状態になる時期として1年経過してからがよいとも述べた。
・これに対し、市長から、やる気がないと見なして経費を削減するといわれたので、「急に来館されて厳しい事をおっしゃる」と内心思った。また「出張しないというだけで大切な予算削減にまで結びついてしまうのは解せないことだが、これは何とかしなければ」と考えた。
・職員は、これまで出張旅費を削られ続けてきた。視察のハードルは高いと感じてきた。特に遠方への視察は、趣旨目的が明確で代替手段がない場合に限られていることからも、自分として明確な目的意識を持っていくべきと考えたが、今回は、視察の理由が腑に落ちなかった。
・そうした気持ちの中で、あえて行くのは「時間の無駄」と発言したことについては、言葉が過ぎたと反省している。図書館を守らなければならないとの思いや心理的な圧迫感を感じていた。
・明日都の利用に関して副市長の強い意志を感じたが自分がそれとは違う考えであるので難しい局面だと思った。次長と二人で相談したいと申し上げたがその場で即答するよう求められた。
・自分にとっては重要な事項であり、そこまで言われることは理不尽のように感じ追い詰められた気もした。そこで市長のご発言も思い出し、「分かりました。誰かが行きます」と返答せざるを得なかった。
・図書館の運営や整備については、本館全体の運営、さらには市内全体での配置を考え、教委内で十分に協議を重ねていくべき重要事項と考えている。今回の件は、そうした重要事項について教育長や教育部長を通すことなくトップダウンで矢継ぎ早に進められるように感じて、おおいに疑問を感じた。(以下省略)

 引用は以上です。
 明日都の空き床問題はとうに解決し、このほど図書館の運営方法も決定されたことから差し障りのない部分だけを抽出しました。

 越市長、いかがでしょうか。内外の意見をよくお考えください。
 最初はコレコレの理由から自分としては民営化が相応しいと考えていた。しかし利用者や専門家に検討をお願いした結果、コレコレの理由から直営がよいとの答申を得た。また、この間の先行都市の事例を見るにつけ慎重に判断すべきだと考えた。そこで本市としては直営でいくことにする、、、、このようにと率直に仰ったとしても越市長を責める人はいません。

結果にあわせて出発点を変えるようなやり方は、市民説明の上でも組織運営の点からも不誠実ではありませんか。関係した市民にも担当した職員にも深い不信を残します。
 それは大津市にとって大きなマイナスです。直営と決まったから結果オーライではないと思うのです。越市政には他にも似たことがたくさんあります。深刻な状態だと思います。この件についてはこれだけにしておきます。

 他のコメントの中で市長選挙の候補者にふれたものがありました。
 一つは否定的評価を下しているもの、もう一つは私と候補者の関係を推測するもので、悪いのですが二つとも削除させてもらいました。
 本ブログの「情報広場」では誹謗中傷でない限り意見表明は自由でしょうし、私自身が候補者について論じることも許されます。
 しかし、私は、自由で中立的な立場から越市政を論じることを最優先とし、それを妨げるおそれのあることは一切避けたいと考えています。その意味からブログにおいて候補者と距離を置くつもりであり、投稿コメントであっても候補者について言及されたものは掲載しない考えであることをお断りいたします。
 越市長が出馬表明された場合、候補者越直美氏については言及しませんが、現職の越市長についてはこれまで通り論じていく考えです。

  関係資料 7  大津の図書館で起こったこと





 


関係資料 8 図書館をめぐる経過

2006.3月   大津市・旧志賀町合併 旧志賀町には有ったが大津並・協議会なくなる
2012.1月    越市長当選
     2月   大津市議会にて協議会設置可決
     4月    有資格館長、有資格次長配置

2013.8.23   第1回図書館協議会
2013.12.26 第2回図書館協議会
2013.3.21  第3回図書館協議会
2013.8.6   第4回図書館協議会(伊万里・武雄視察報告)
2013.11.22 第5回図書館協議会

2014.2.7   第6回図書館協議会「大津市立図書館の現状と今後のあり方」
2014.3.20  富田教育長辞任。 教育委員会で協議会メンバー「あり方」の説明
2014.4月    有資格館長・有資格次長異動
2014.9月    市議会で草川議員より指定管理導入含めて検討と質問教育部長異動
2014.9.17  第8回図書館協議会
2014.10.24 第9回図書館協議会
2014.12.20 滋賀の図書館を考える会

2015.1.9   「図書館を考える大津市民の会」発足
2015.1.16  北九州市立図書館・小郡市立図書館視察
2015.1.29  指定管理者制度に関して研修会(県立図館長)
2015.1.30  明石市立図書館視察
2015.2.8   第1回図書館を考える集い(前川恒雄氏)
2015.2.20   第10回図書館協議会
2015.2.21  毎日新聞(図書館民間委託に警鐘)
2015.2.22  滋賀民報(公共図書館を守ろう)
2015.2.24  第2回図書館を考える集い(夘滝清春氏)
2015.3.6   第11回図書館協議会(答申案・・最終)
2015.3.12 京都新聞(業務委託に統一指針)
2015.3.24   館長以下主幹以上8名異動内示 ガイドラインで図書館検討課題へ                    26日の教育委員会での説明キャンセル(教育長より)
2015.3.26  協議会答申館長へ提出 ⇒ 館長、教育委員会へ答申提出
2015.3.29   ミニ学習会(和邇館)
     3.30   パブリックコメント募集(3.30~4.20)
2015.4月    館長以下主幹以上8名異動
2015.4.3   協議会会長・副会長、市長面談
2015.4.8   京都新聞(民間委託進める大津市)
2015.4.9   滋賀報知新聞(指定管理者制度の導入を検討)
2015.4.11   第3回図書館を考える集い(森下芳則氏)
2015.4.12   京都新聞(図書館の質『職員が第一』)
2015.4.16  滋賀報知新聞(指定管理者制度による民間委託は) 
                   集客すれど役割貧弱にと危惧
2015.4.20 中日新聞(民間委託はどこまで?)
2015.4.26  市議会選
2015.4.30 滋賀報知新聞(パブコメ240件超)
2015.5.9  ミニ勉強会(木戸公民館)
2015.5.16 ミニ勉強会(明日都小会議室) 
2015.5.20  毎日新聞(大津市立図書館が民営化するの?) 2015.5.21  行革推進会議 2015.5.23 第4回図書館を考える集い(永利和則氏) 2015.5.26  ミニ勉強会(北図書館会議室) 2015.6.8~ 大津市議会(浜奥議員・岸本議員・草川議員・谷議員図書館について質問)            教育長答弁(協議会答申を尊重し7月中に図書館で考えをまとめ、それを                  もとに教育委員会で検討) 2015.6.28  京都新聞(図書館民間委託「待った」パブコメ388件 2015.7.24  第12回図書館協議会(新館長他事務局一新…継続和邇館館長のみ) 2015.9.4   ミニ勉強会(晴嵐図書) 2015.9.18  臨時図書館協議会(協議会答申に関する検討報告) 2015.10.3  第5回図書館を考える集い(住岡英毅氏)                                                                  

関係資料7 大津の図書館で起こったこと

 ここに掲載するのは去る11月8日、3回にわたって投稿された図書館に関するコメントを一つにしたものです。投稿者がまとまった形で発表したいと後記で述べられ、また別の方からこのブログの「関係資料」に転 載してほしいとのリクエストがありました。
 もとより私も分割コメントを拝見して同様の考えに至っていたことから、ご本人との連絡が取れたのを幸い、図書館をめぐる出来事を系列に整理した別資料も頂いて以下のとおり掲載することとなりました(茂呂)。

<コメント内容>

  私は、長年図書館とかかわって市民活動してきた一市民です。
 この度、新聞紙上でも「大津の図書館は、直営で」と、表明されました。しかし、越市長は、記者団へ「最初から民営化を目指していたわけではない」とコメントされています。
 それを読んで、内心穏やかでないものを感じております。ご自分のなさったことに対する反省とか、職員への労わりとか、そういうことは一切関係ない。きっと、「市民が騒いだから仕方がない。私は一言も言っていないのに、あたかも民営化が決まっているように一部市民が騒いで。」とおっしゃっているのでしょう。
 私自身が、見聞きしてきた「大津の図書館でおこったこと」を事実に即して、ご報告したいと思います。

 発足当時は、大津の図書館も市民の期待を受け、小規模でも分館を増やし、『歩いて行けるところに図書館を』という考え方で、今後に期待の持てるいい図書館でした。ところが、その後増えるはずの分館はなかなかできず、専門職としての図書館の位置づけがないまま、だんだんに「滋賀の図書館はいいけれど、大津の図書館は・・・・」と言われるようになりました。
 図書館協議会も大津市には、ありませんでした。志賀町との合併時、志賀町並みに大津市にもできればよかったのですが、結果は大津に合わせることになり、志賀町にあった図書館協議会もなくなり、資料費も合併後も大津市の図書館予算は増えず、結果旧志賀町で潤沢にあった図書館資料費はなくなったも同然になってしまいました。(2006年3月、旧志賀町大津市と合併)
 その他、大津の問題点は、大津市図書館協議会がまとめた「大津市立図書館の現状と今後のあり方」をご参照ください。(大津市立図書館のホームページからアクセスできます)

 この後、時系列に従ってみていきたいと思います。(関係資料8 図書館をめぐる経過参照)
2012年1月、越市長誕生、民主党、市民ネット推薦。若い市長の誕生に硬直化した市政に変化があるのでは…と市民の期待も大きかった。
 図書館でも、2012年2月、市議会で図書館協議会設置条例が可決され、4月には、退職前ではない専門職の館長・次長が配属されました。さすが、市長が変わると、こんなにも一気に改革がすすむのか、と驚きました。
 そして、2013年8月、念願であった図書館協議会も発足しました。(議事録公開―大津市立図書館―大津市のホームページ参照)

 一期2年間協議した内容を「大津市立図書館の現状と今後のあり方』としてまとめました。公民館など指定管理の話がどんどん進んでいるという噂も耳に入り、市民の望む図書館のあり方をまとめておこうというものでした。
 そして、この「あり方」を教育委員会で2014年3月20日に説明させていただきました。教育委員の方々からも「いいものができました、日ごろの活動、頑張ってください」とのお言葉もいただきました。が、この日の午後、富田教育長が辞任されることになりました。(日経ビジネス平成26年6月2日号 参照)
 「市民派市長」と喜んでいたのですが、この頃から「あれ?」と思うことがいろいろ起こることになります。

 2013年8月の協議会で、図書館の方から伊万里・武雄図書館の視察報告を受けました。7月7日、一部議員さんと図書館職員は、市民図書館と言われる伊万里市立図書館も視察されていますが、越市長は8日の武雄図書館視察のみ。
この時の図書館員の視察報告、公開されています。
武雄図書館視察の所見、以下のごとくです。
『所見
 図書館法はなぜ公共図書館が無料で本を貸し出すことを定めているのか、図書館はなぜ無料で本が借りられるのかということに立ち返った時、そこには「知る権利」と「学習権」の保障、「知の平等」「民主主義の原点」という理念がある。
 入口正面から販売用の雑誌・新刊書・文具の販売売り場があり、図書館部分は奥にあるという設計は、図書館利用者への購買意欲を喚起させると思った。
 民間企業は基本的には利潤の追求がその存在意義であり、その観点から図書館運営を民間企業に託すことは、地方自治体の財政で運営する、公共図書館の目的にそぐわないのではないだろうか。
 スターバックスエリアに比べるとカウンター周りの人影はまばらで、無人のセルフレジが導入されていたが、大津市の図書館で日常的に見受けられる活気、利用者とのやり取りというものは見受けられなかった。
 職員の手を空け、相談やレファレンスに時間を当てられるようにセルフレジを導入したということだが、逆にそのことが利用者との接点を遠ざけている。
 こちらも館長が、「利用者から『セルフレジの使い方がわからない』と言われ、教える機会があると嬉しい。そういうことでも無いと利用者としゃべることもないから。私は最後まで有人カウンターにしてくれと推していた。セルフレジになると利用者から教わることもないし、利用者も本の話をすることもないし、聞くこともない」と言われたのが印象的であった。
 やはり、図書館はカウンターが基本であり、そこを通じて利用者とコミュニケーションを行いながら運営していくものであると再認識した。
 また、登録者の半数以上が市外の人ということであるが、その市の市民が借りたいと思う本が半数以上、市外に流出している現状ではその自治体の公共図書館としての役割が果たせないのではと感じた。
 図書館は市民が自己教育、自学のために図書館を日常的に使い、読書を通じて自分らしく生きることや、生活力を身につけることができる施設である。
 そのように自立した市民が増えることが、その自治体の発展に繋がっていき、まちづくりになっていくと思われる。そこが観光施設、商業施設と異なる点である。
このような観点からも各自治体の図書館は、その自治体の市民のために本を買い、提供することが基本であると感じた。』

 この報告は、市長も読んでいらっしゃるはずです。私たち市民は、こんな報告のできる図書館員が大津の図書館にいたということを誇りに思います。

 しかし、市長の意図とすることとは大いに違ったのでしょう。この図書館員と上司である館長、二人ともが富田教育長辞任の後、教育長不在のまま、異動になります。有資格者である館長・副館長はわずか2年で異動になったことになります。
 そして、行政改革を進めたい市長の命を受け、大津市包括外部監査報告書も同年3月だされます。(平成18年行政改革の俎上に図書館もあげられますが、図書館の項目はなじまないと外されることになっていました。)
 この報告の中で、資料費の不足・分館が少ない・館長が1・2年で変わる・専門職職員の配置不足等、問題点を指摘しながら、民間活力導入も視野に入れ検討する必要があると報告される。(問題点の中身は、行政の姿勢であって民間活力導入が問題解決の道ではないことは明らかであるにもかかわらず、なぜこの項目がはいったのか?大いに疑問に思うことであります)

 市長のおっしゃるように「民間委託など最初から考えていたわけではない」のならば、この報告を受ければ、やっぱり、直営かなぁとふつう思うのではないか、ましてや、この職員が異動させられることはなかったのではないかと思います。この時、すでの市長の考える図書館像をお持ちだったのではないでしょうか?

 この報告を受けて、2014年9月の市議会において市議会議員より図書館の指定管理導入の件が質問されます。それを受けて、図書館協議会に指定管理者制度導入に関する諮問がだされます。当初1年かけて検討、2015年夏までということでしたが、12月には3月の中間答申をもって答申とすると急に半年短くなるという決定が下されます。

 また、「協議会では荷が重いでしょうから、第3者委員会を設置して検討してはいかがか」という市長の意見に対し、協議会で十分と市長の意見を取り入れなかった教育部長が9月に異動。

 一方、協議会は粛々と指定管理導入図書館を視察する等、いろんな情報を集めつつ、図書館のあり方を検討していきました。学校教育・家庭教育・学識経験者・社会教育・公募委員・・・すべての委員が指定管理・民間委託には疑問を持ち、教育は行政が責任を持って行うべきだという方向で答申を出すことになりました。

 しかし、協議会無視、というより協議会の決定を都合よく変えたい意向が見え隠れしだしました。協議会は、市民の代表と思って真剣に協議してきましたが、このままでは弱すぎる、大きな市民の声だというものが必要ではないか、と思うようになりました。
そんな折、1月の市長の定例記者会見での市長の言葉です。

「最近の出来事として、佐賀県知事選挙で、私も樋渡さんは非常に尊敬する市長でありましたが、選挙で樋渡さんみたいな人が負けてしまうというのは、本当に残念なことだなと個人的に思っています。
 樋渡さんは大津にも講演に来られたり、また私自身も武雄市の図書館に2回ぐらい行ったこともあります。本当に、最初は病院のことをされて、その後、図書館をされて、今は特に教育でタブレットを使った反転授業というのをされていて、私もすごく多くのことを教えていただきましたが、そのような地方からまさに民間手法を使ってより新しく発展的なことをやって、多くの改革を本当に、言うだけだと簡単ですが、実際そこまで結果を残してやってこられた方というのは他にいないので、すごく本当に残念だなと思っています。
 樋渡さんみたいな人が地方で新しいことを始めるという、それが本当の地方創生であって、そういう人が選挙で負けてしまうようでは本当の意味での何か地方創生というのはできないのではないのかなと思っています。
 でも一方で、選挙の結果ではありますが、なかなか日本の風土として出る杭は打たれるというか、恨みとか妬みとかそういうのがたくさんあるので、あのような方が評価されるような社会にならないと、日本の文化だとか、日本がもう一度世界でやっていくというのはできないなというように思っています。
 実際、樋渡さんは、多分いろいろなことをされてきたので色々な軋轢とかもあったと思いますが、そういうことをやっている人をやっぱり評価するような社会にならないと、日本もこの先非常に暗いと思っています。でも、一方で自民党が樋渡さんのような方を推薦したということは、非常にすごくすばらしいことだなと思っているところです。」(大津市ホームページより)

 この市長の言葉を読んで、市民の一人として、大いなる不安を感じました。
 そして、大津の図書館を武雄の図書館にしてはならないという強い気持ちも芽生えました。
 まだ、マスコミは武雄図書館をもてはやしていました。でも、私個人はツタヤの選ぶ本で子どもを育てたくはない。大津には、スターバックスも大型書店もたくさんあります。紀伊国屋、大垣書店、喜久屋書店、・・・・武雄とは違います。

 そんな時に、草津で「滋賀の図書館を考える会」主催で前川恒雄さんの講演会があることを知りました。お目にかかるチャンスをいただきました。そして、会場にいらっしゃる大津市民に呼びかけて大津の市民の会を立ち上げたい、賛同される方は残ってほしいと呼びかけました。10数人の方が記名してくださって、1月に発起人会を立ち上げ、2月には、大津での前川さんの講演会を持つことができました。

 こうして「図書館を考える大津市民の会」が発足しました。第1回、第2回の「図書館を考える集い」に130数名の方々が集い、真剣に図書館について考え、ご自身の意見を交換されていました。第2回目の「考える会」の後で参加者の中から新たに運営委員の方も募り、「市民の会」の活動が始まりました。いろんな分野の方々が集まって、それぞれの知恵を出し合い、その時その時、考えながら進むという具合に活動が始まりました。その後の「図書館を考える大津市民の会」の活動に関しては、資料の【活動報告】をご参照ください。

 市民の図書館民営化か?に対する危機感は大変なものだと実感いたしました。
 それも「市民の図書館」を経験している旧志賀町立図書館(現・和邇館)の利用者の方々の危機感は絶大なものでした。
 2015年3月6日、協議会の最終答申をまとめました。後事務局と調整して、文章を修正・加筆。3月26日に教育委員会に提出。説明会を行うことが決まりました。
 答申の出る前、3月12日の京都新聞に『民間委託推進ガイドライン』の検討項目の中に図書館が入っていることが報じられます。(図書館事務局は、答申が出るまで待ってくださいと再三お願いされていたそうです)

 そして、教育委員会に伺う予定の二日前、3月24日に突然、協議会の方は教育委員会に来るに及ばずと教育長から理由もなくキャンセル。そして、同時に図書館職員主幹以上8名(内、退職者2名)の異動の内示があります。
 3月26日、新聞記者同席の中、協議会から館長へ答申が渡され、その日の午後、教育長に渡されました。
 3月27日、本館協力者会議の席で館長が「まさか、1年で異動になるとは思っていませんでしたので、図書館のことがようやく分かり、これから私の培ってきた行政手腕で、皆さんのお役に立てるかと思っていましたが異動になり、お役に立てず残念です」と、最後の挨拶をされました。
 毎年、館長次長共に異動するというのは、組織としてもこれがふつうとは思えません。しかも、今回はベテラン司書も生涯学習課に異動した以前の図書館員たちまで、関係のない部署に異動になりました。市民のニーズを把握し、その要求に正しく応えていく司書の仕事は、一朝一夕にできるものではなく、長い経験が必要です。市民にとって、大きな不利益を受けた今回の人事異動だったと言わざるを得ません。

 そんな時、行革推進会議でパブリックコメントを募集していることを知り、広報に努めました。賛成であれ反対であれ、ご自身の考えを寄せてほしいとお願いしました。市民の多くが何も知らないうちにことが進んでしまって、どうしようもなくなってからでは遅い。どういうことが進んでいるのか知ってほしい。武雄市のように市長のトップダウンで市民の声が届かないうちに事が運ばれることは防がなければ・・・。
 しかし、一般の市民がパブリックコメントにたどり着くのも大変です。それを言葉で表現することも。しかし、「図書館を考える集い」に参加してくださった市民の皆さんは、危機感を共有してくださいました。

 3月30日から4月20日まで3週間の間に図書館に関するパブリックコメント388件。例を見ない程の多さだったそうです。この間、市議会選挙もあり、市民の会は圧力団体か?…と言われたこともあります。

 4月3日に市議会議員さんの口利きで、「市長と会って市長の意向を直接聞くチャンスを」と呼ばれますが、実際には私の封じ込めであったような気がいたします。その時の屈辱感、まるで犯人扱いの日々を私は忘れません。眠れぬ夜もありましたが、かえって力を得た気がします。
 その時には、すでに「大津市民の会」は優秀な自立した市民の集まりになっていました。私は呼びかけ人ではありましたが、「大津市民の会」のリーダーではありませんでした。その時その時、知恵を出し合って行動する、誰かに言われて動くのではなく、自分で考えて、自分で判断して動く自立した仲間がいました。図書館を愛する人たちは、こういう人たちなのだと改めて思いました。

 さて、この時市長室での面談。市長の口から聞いたのは、「私は、民営化するとも、指定管理者制度導入するとも一言も言っていません」のみでした。どういう図書館像をお持ちなのか聞いてみたかった。その後、「市長への提言」へお手紙を出したり、議員さんへもお便りしたり、大津の図書館をよりよくするためにお力をお貸しくださいと、心を込めてお便りしました。あちこちの新聞も図書館のことを記事にされるようになり、パブコメも無視できなくなり、少し潮目が変わってきました。
 6月市議会でも4人の議員さんが図書館のことで質問され、教育長は協議会答申を尊重すると答弁されます。

 一方、協議会答申は図書館に差し戻され、図書館としての検討報告が出るまで、半年。
 新館長の元、中核都市の図書館や職員にもアンケートをとり、結果3月にだした図書館協議会答申に即した報告書に近くなりました。
 この間の図書館の混乱ぶり、協議会委員の顔ぶれは変わっていないのに事務局の顔ぶれは一人和邇館館長を除いて全員が変わるという異常ぶり。しかも、結果3月段階に戻りました。
 責任の所在は、どなたにあるのでしょうか?


【後記】
今回のことで学んだことがあります。
「図書館は、考える市民を育てる」ということを実感いたしました。今、「市民に選ばれたのだから・・」と、トップダウンで人の意見も聞かずことを急いで結果をだそうという首長も増えてきています。しかも、「いやなら次の選挙で落とせばいい」といった発言もよく耳にします。真の民主主義は声なき声を如何に拾い上げ施策にどう生かすかが大切と言われますがもはやそれは死語かと思うようなことを目にします。

 憲法13条で、「すべて国民は、個人として尊重される」とうたわれていますが、ひとりひとりを大切にする図書館の本来のあり方こそ、この憲法にいう基本的人権を具現化してくれる場所だと思います。住民ひとりひとりの知りたい、学びたいという要求に丁寧に応え、どんな本を読もうとどんな思想を持とうと、ひとりひとりが個人として尊重され、文化を次世代へとつないでいく、そういう図書館であってほしいと思います。

 そのためにも、首長は、高い志と倫理観を持ち、誇りを持って働ける図書館員を配置する責任があると思います。そして、私たち市民もこれら基本的人権は、当たり前のように享受できると思っていましたが、そうではなく憲法12条にいう不断の努力がいるのだと改めて思いました。
(12条:この憲法が国民に保障する自由および権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。)

 今こそ、私たちは何を望みどういう世界を作りたいのか、ひとりひとりの問題として自分で考え、共に悩み、自分で行動しなければならない。そういう時代に直面いていると思います。一人の力はちっぽけかもしれない。でも、そのひとりが動かなければ、表現しなければ、何も変わらないし、むしろ大事な権利も奪われてしまうかもしれない。そんなことを感じた今回の図書館問題でした。

 以上、私の見聞した「大津の図書館で起こったこと」と私自身が感じてきたことを述べました。(あくまでも私見です。「大津市図書館協議会」とも「図書館を考える大津市民の会」とも、会の見解ではありません。そこに、たまたま居合わせた一個人の見解です。)
 出来ましたら、これら一連の報告をまとまった形で発表し、よりよい図書館を考える資料として役立てていただけたら幸いです。

  (参考) 関係資料 8 図書館をめぐる経過


2015/11/06

49) もうひと言(越市長の「宿題」など)

 このブログは私にとって大津市政について考え、語りかけるための大切な場所ですが、たまたま用事が重なりパソコンに向かえませんでした。その間にもコメントを頂いたり越市長の動静が報じられたりしたので、少しそれにふれたいと思います。もしや関係先の圧力に屈したか?と心配して下さる方もありましたがそれは有りがたい杞憂。私は至って元気にやっております。

 ブログによる越市長批判を「犬の遠吠え」に例えた方がおられました。普通は「負け犬の遠吠え」と言いますが、単に「犬」とされたのは私への温かな配慮かもしれません。
 また、別の方(?)から中立性を装って「ネコをかぶる」云々のコメントを頂戴しました。
 犬か猫かどっちやねん、と内心思いつつ取りあえずアップしておいた次第です。
 このレベルでは名誉棄損にあたりませんし、それどころか、実は犬や猫のほうが邪(よこしま)なところがない点で人間よりずっと崇高ではないかと私は日ごろ考えています。
 さらにいうと生態系を支えながら決して恩着せがましい顔をしない植物全般の偉大さ。感情移入が過ぎると良くありませんが、動植物の在りようが人間の(あるいは文明の)姿を映し出す鏡であることは確かだと思います。

 話をもどしてブログの記事が「遠吠え」か「中立もどき」か。
 答えはブログの最初から各ページをざっとお読みいただければ一目瞭然だと考えます。一々読んでいられないという向きには、ブログの出発点でもある「市長への手紙」(関係資料1)が他ならぬ越市長に対して、すべてご本人にも思い当たるであろう事実を記したものであることを指摘するだけで足りると思っています。

 「茂呂が出馬すべきである」とウマまで出てきましたがこれも既にブログに書きました。
 私としては、副市長退任とブログでの市政実態報告により自分の使命を果たしつつあると考えています。選挙に出る出ない、ブログを閉じる閉じないは私がきちんと判断します。
 市長選挙の候補者はまだ出揃っていないようですが、今度こそ大津市長にふさわしい方が選ばれるであろうと祈るような気持ちです。

 そうした中、越市長が出馬を前提に議会の複数の会派に支援を打診されたとの報道がありました。二元代表制の項目でもふれたとおり、大津市議会は優れた取組みで全国的にも注目され、評価されています。高い識見を有し市政運営の現状についても把握しておられる各会派におかれては、市民のために最適な判断をされるものと思います。

 同じ日に「越市政4年間の光と影」と題してパワハラ疑惑などに関する報道がありました。ブログでも既にふれましたが、この出来事をよく知っている私としては、この出来事を踏まえた越市長の真摯な態度表明がなされることを心から望むものです。最も深く影響をこうむった職員が結果的に沈黙せざるを得ない状況や、市長の有する大きな権限を考えると一層強くそのように思います。
 犬や猫の世界にはきっとパワハラはないでしょう。
 また、前回の投稿コメントに「公文書消滅事件に関する説明責任が越市長の宿題である」という趣旨のご意見がありました。私も同感です。越市長はきっと1期在任中に「宿題」を果たされることと思っています。




 

2015/11/01

関係資料 6  市会議員選挙候補者のブログに寄せられたコメント 

 これは、本年4月の市会議員選挙に立候補した元市職員のブログで公表された読者のコメントです。このブログの公開中に閲覧、保存したコメントを時系列に並べてあります。中点(・)を付けた段落が一つのコメントです。原文で元職員の姓が出てきますが転載にあたって「Aさん」としました。

・越市長の待機児童ゼロ宣言は嘘でしょ?難しい条件を付けて待機の行列から追い出しておいて、待ち人ゼロは笑わせる。特養ホームの待機者は知らぬ顔?

・子供はますます減り高齢者はますます増えるのに、子供の施設ばかり作ってそのしわ寄せは高齢者ですか?越さんのお友達世代だけのために税金を使うのはやめてほしい。Aさんも辞めた以上はコシを据えて批判してください。応援してます。

・越市長は認定子ども園のことも十分にご存じないのに「幼保合体」ばかりを急いでいる。行政改
革も、ただ変えたい、変えようとしていることを市民に見せたいという一念で動いている。

・「一石を投じる」決意、期待しています。職員の働く意欲・喜びを今一度取り戻せるよう、お願い
します。「人の話に耳を傾ける」ことは、人としての一歩ですよね。

・Aさんの人生を賭けた意思表示を無駄にしないように我々が応援します。越市長は腹の中では市民をなめていると思います。口では将来世代のためと言いながら、見てくれのよい短期的な施策をごり押しで通すだけ。よく知らない市民の目にはいかにも改革者のように見えますが、事情を知っている一部の市民とほとんどの職員は呆れています。人事も事業も市政の私物化です。Aさんの訴えや皆さんのコメントで、正しい情報が市民に広まることが、市政正常化の第一歩だと思います。その口火を切ってくれたAさんの勇気に感謝します。中傷はいけませんが、自分の信じるところに従って批判することは大切です。すべては市民のためになると思います。正念場の一週間ですね。

・私もこれ以上大津市が、大津市役所が、ぼろぼろにされていくのを見ているのは辛いです。信じています。必ず大津市役所へ戻ってきてください。

・子供を保育園に預かってもらえない大津市の知人がいます。何が待機児童ゼロですか。税金を使って保育所を沢山建てても地域が偏っているから恩恵に預かれない子供がたくさんいます。しかも定員割れの新しい保育所があると聞きました。越さん税金の無駄使いはやめてください。

・大津市役所内で現実に起こっていることが、白日に曝されています。Aさんの勇気ある言動に賛同します。職員は善良な大津市民のためなら、自己を多少なりとも犠牲にして頑張ろうと考えている者が大半です。しかし、今のトップの考えについていけないと考えている者も多数います(イエスマンは除きますが)。その結果、職員のモチベーションは上がる筈もなく市民サービスにも影響が出ていることを、分かっていないのが今のトップです。資質に問題があるとの指摘は、その通りと思います。

・越市長て相当自己中心的という評判ですよね。マスコミ受けするためにはいじめも子育ても全部自分の道具にしてますね。自身の政治を志したとかの介護施策はどうなっているんでしょうか。

・以前、とある議員さんから聞きましたが、その議員さんが、市長に「どんな街にしたくて、何がしたくて市長になったのですか?」と聞いたところ、市長は「街づくりではなく、行政改革がしたくて市長になった。」と答えたそうです。でもそれって「理念やビジョンはないけど、道具は使いたい。」、「将来の見通しもないけど、変えていってる私は格好いい。」と言ってるようなものですよね。こういう時代だからこそ、将来を考えた市政運営をお願いしたいと思います。頑張ってください。

・今職員が最も恐れているのは、この4年がまた繰り返されることです。そうならないためにも今回の市議会議員選挙でAさんが当選することは絶対必要なことだと思います!

・保育の質の向上に頑張っている一人です。保育所の数だけ増やす市長の考えに全くもって反対です。今ある施設をもっと充実させて欲しいです。子育て支援は親支援、小さい間にしっかりした親子関係を学ぶことが大事だと思っています。その絆を固くするためのサポートが保育所であり保育士としての仕事だと思います。頑張ってください。応援させて頂きます。

・Aさんの子育て支援策はその通りだと思います。私の周りには公立保育園の3歳保育に入れたいのに、制度がないので私立に入れるしかない人がいっぱいいて、アホみたいに金かけて定員が埋まらない保育所増やすより、なぜ公立保育園で3歳保育やって、就労支援をしてくれないのかと不満がいっぱいです。それで待機児童ゼロとかいって、記者会見する越市長はただの素人でしかありません。Aさんのように保育園からも幼稚園からも信頼されている人に子育て支援してほしいです。

・Aさんの子育て支援策はよく分かりました。頑張って戴きたいと思います。それにしてもこれだけ指摘される市長も珍しいですね!それも一箇所で。役所全体ではどれだけ出てくることやら。この市長の支持率、職員と市民では、相当差があるでしょうね。市民は市長のパフォーマンスにまんまと騙されているのですね。残念!このブログを見て欲しいですね。残り一日です。Aさん、頑張ってください。応援しています。皆さん投票に行きましょうネ!

・幼稚園の3年保育、ぜひ実現してほしいです。それだけでも保育園は助かりますし、保育園を増やす必要もなくなります。市長のようにむやみやたらに保育園をふやすと、Aさんの言うとおり、質の低下は免れませんし、大津市の負担も膨らむ一方です。保育園の運営にかかる費用に占める保育料の割合は半分にも及びません。それだけ税金で賄われているのです。今だけを考えた市長のやり方では、後々の負担で大津市財政はパンクするでしょう。保育施策に造詣の深いAさんには頑張ってほしいです。

・越市長への批判がたくさん投稿されました。Aさんの真剣な問題提起に皆が反応したように思います。私も越さんと接点のある一人ですが、越さんの姿勢や考え方や近視眼的な見方やかたよった施策などが、大津市のためにならないと感じています。Aさんが当選しても38人の議員の一人に過ぎないとの見方もあるかも知れませんが、市政の現状や立候補の動機を考え合わせると、市政正常化のための一歩になるでしょう。最後まで応援します。

・市長は大津市の良い所や強みを離されたのを聞いた覚えがありません。わが町への親しみや愛情を語らない人、人の痛みに疎い人、「日本で初めて」とか「一番になること」が自分の満足だけの人と映っています。前に市長がTV番組で教育委員会制度のことを話されていた中で、同席されていた国会議員の方が「権力者は謙虚であれ」という言葉を発せられました。本当にそうだ!と感じました。ビジョンのないパフォーマンとトップダウンの連続で、職員は振り回され、真面目に取り組んできたことが報われず、本当に疲弊しています。
 富田教育長、茂呂副市長の投じられた一石に波紋は起きましたが、閉塞感は軽減できず「大きな支えと財産を失ったという空虚さが残っただけでした。今回はAさんです。上司、部下どちらからも人望が厚く優秀なAさんです。もっと一緒に仕事がしたかったというのが私の正直な気持ちです。「一石を投じ、次の4年間を活気に満ちた4年間にしよう」との決意と勇気ある行動に頭が下がります。私たちの大事なAさんの挑戦が無駄にならないよう、しっかりと応援していきます。

・市長は女子力アップを推進するためにいろいろな一策を打ち出しアピールされています。しかしながら、本当に女性が生き生きと働いたり、生活したりするための施策と思えない内容がたくさんあります。ただただ、女性労働力を確保するためにだけの施策のように感じられます。私たち女子の働く権利保障は必要ですが、生活を充実してこそ、家庭や子育てを両立してこそです。
また、自分のやりたいことには、どんなに効率がわるかろうと公費を投入し、このことには本来公費を投入しなければならないと思われることにも自分がしたくないことには投入しない、、、、。
 本当にこれでよいのでしょうか、、。Aさんどうか当選し、このような大津市にどうかメスを入れてください。

・Aさんには頑張ってほしいです。子育て施策については、今の越市政の問題点を十分明らかにして頂けたと思います。もっと。越市政については、問題点がたくさんあると思います。
 いわゆる公務員の守秘義務と、自分たちの首が飛ばされる越さんの恐怖政治があるのが怖くて、言いたいけれど言えない!というフラストレーションがあるのでは?Aさんには、それを打開していただきたいと思います。Aさんは、お人柄だと思いますが、比較的抑制的に書かれているので、読者の方がたくさん問題点をあぶりだしてきているようですね。越市長の老人福祉への冷たさはよく知られていないようなので、その点も明らかにしてほしいです。大津市は、特別養護老人ホームの待機者が1000人以上です。我が家にも要介護4で入院している母がいます。選挙広報見ても、特養建設の公約は8人しかいないので、焦点ではないの?と少し残念です。

・内部事情の暴露を控えめにというご意見はもっともです。Aさんの今後を親身に案じる誠実で貴重なコメントだと思いました。市役所の中で公務として行われていることは通常情報公開の対象になります。個人情報の保護などに配慮すべきことはあるものの市の情報は本来市民のものです。
 市の工事や料金のミスも職員の不祥事も分かり次第市民に説明し善後策を講じるのが通常です。パワハラが発生した場合の対応は、どこの組織でも決まっています。法令順守を率先して行うべき市役所でパワハラがあるなら、手順に則って調査と公表を行うのは当然と思います。投稿者は疑惑と言っているので現在調査の結果が出ていないと思われます。パワハラと認定されたら公表、謝罪、善後策は当然でしょう。Aさんはパンドラの箱を開けたのかも知れません。出てきた情報を嘘かホントか読む人が見極めなければいけませんが、多くの意見に共通するのは、Aさんの言う通りの「子育て施策の危機」と「市長の資質の問題」でしょう。市民としては市のことを正しく知るべきだし、それをまちづくりに生かすべきでしょう。
 誰かも書いておられましたが、Aさんの人生を賭けた決断が多くの人が胸にしまっていた声を引き出したのではないでしょうか。Aさんに逆風は吹いてほしくないけれど、それも覚悟で態度表明したからブログも盛り上がったのではないでしょうか。この盛り上がりを明日の投票に結び付けましょう。Aさん、親身な仲間が応援しています。

・Aさん、あなたの勇気と実行力に感服します。是非とも貴重な議席を勝ち取って、情理に背くゆがんだ市政を正常化してください。応援しています。

・お疲れ様でした。市役所を辞めてまで市長と戦うAさんのこと、もっと早く知っていたら支援者も増えていただろうと残念です。越市長は、4月に民間委託化推進ガイドライン案を京都新聞に載せました。なぜ、無料の大津市民が見るであろう広報に詳しく載せないのでしょうか。京都新聞には市民向けに意見募集すると書いてあったので、どのようにするのかと思っていたら、ホームページにしか募集内容、期間が載っていませんでした。戸籍住民課や市民税課入札を行う際、そして保育、福祉すべての事業が対象です。すべての事業は私たちの個人情報が満載です。それが民間企業に流出するのですよ(怒)。守秘義務がどれだけ守られるのでしょう。ベネッセの個人情報漏洩事件のようなことが起こる可能性大なのに、そんなリスクをおってまで、する事業なのでしょうか?
 どれだけの市民が、大津市のホームページを見るのでしょうか。少数しか意見がなかったから関心がないと判断して通してしまうのではないかと心配しています。最終判断は市長と副市長が決めるようなことが書いてありました。そんなことが許されるのでしょうか?職員はプライドがないのですか?無能な職員には任せられないから、民間のノウハウを取り入れると言ってるんでしょ、あの市長は。本当にびっくりしますし、それに反抗できない職員、議会に、あきれてしまいます。もう、そんな横暴な独裁市長を止めることができるのは、大津市民だけです。大津市政にもっと関心をもちましょう。Aさん、今日が運命の日です。当選されることを祈っております。

・最後まで空白の28番・・・。気になってブログを拝見しました。今の市政の実情を知りました・・・残念です。市長は行政改革をして何がしたいかと聞かれ、「市がやるべき子育て支援や高齢者施策に集中したい。」と記事でコメントされていましたが、介護老人施設や市民病院なまでも民営化などを検討されているそうですね。高齢者福祉や児童福祉を推進する人間が推進する施策ではないですよね。市民病院は赤字だから見なおしを迫られているようですが、体力のない子供やお年寄りにこそ医療の充実があって安心できる暮らしがあるのではないでしょうか。
 医療を必要とする世代は収入が少ないご家庭も多いはずですが、そこから多くのもうけを出せですか・・・。先の県議会選挙の出口調査でも重要視する施策は「医療・福祉」がトップでした。市民が市に対して充実を求めている施策に改革のメスを入れるとは、市民不在の改革とは、いったい誰のための改革なのでしょうか。今回の選挙では高齢者福祉施策に関することが少ないように思われます。でも誰もが高齢者なります。これからの自分の、家族の、体制綱人の明るい未来が築けるようにAさんに一票を託したいと思います。

・残念な結果でした。ネットだけではなく、声に出して活動されたら、違った結果だったと思います。Aさんが一番市役所内部で今行われている市長の横暴なふるまいやパフォーマンスだけになっている各事業のこと、もっと大津市民のみんなに知らせるべきです。せっかく振り上げた拳をこのままなかったことのようにするのですか?あの市長の実態を広く市民に伝えるべきです。ネットの中だけでは高齢者の方々は分かりません。どうぞ、大津を助けてください。来年市長選挙があります。派手な聞こえの良いパフォーマンスに騙されて越市長が再選しないように今から力を蓄えて、どうぞ出馬してください。心からのお願いです。

・大津市政の現状の酷さは十分分かりました。ならば、本当の闘いは市長選ではありませんか。
 あと12か月あります。十分準備もできますし。戦略も練れます。いざ、決戦の市長選へ再び!

・本当に残念でしたね。来年、市長選挙があります。Aさんの後ろで応援協力された方がおられるならば出馬してください。あんな素人に大津市が滅茶苦茶にされています。来年停めないとこれから何期も続きますよ。でもAさんにまた出てくださいというのは酷です。Aさんはよくやられたと思います。ご苦労様でした。ところでブログはこれで終わりですか?名前をかえて続けることはできないですか。今度は大津市民の方々に時間をかけて広く知れ渡るように!Aさん、本当にお疲れ様でした。ゆっくり休んでください。そして。ブログの件、宜しく!!

・Aさん、残念でした。本人はもちろん多くの支援者もがっかりだと思います。
 でも大きな決断をされ、よく健闘されました。胸を張って結果を受け止めてください。
 なんといっても送別会の挨拶とブログだけで1529票を得た訳です。市政の現状を憂う多くのコメントも寄せられました。このことを振り返って今後に生かせることはないのか、皆さんと共に考えてみたいと思います。

・Aさんは越さんが市長でなければ恐らく途中退職することはなかったと思われます。越さんの子育て施策に問題があると考え、組織の中で正せないから「外から攻める」ことにしたのでしょう?身を賭して越市長の不正を正そうとした職員がおられたと先日の投稿にありましたが、Aさんの奥の手は市会議員になることだったわけです。この決断は、事情を知る人々には大変大きな関心を呼びました。
 越市長の子ども施策をはじめ市政運営を危惧する市職員、子供の保護者、市と接触のある各種団体や一般市民たちが、次々と声をあげ、それが次の投稿を呼びました。これはAさんの支援者の広がりでもありました。だから、マイクもポスターもなしにこれだけの支持を集められたのでしょう。私個人の意見は市会議員をめざすならやはり座布団会議の積み重ねだと思います。もしAさんが時間をかけて複合手段を講じていたら、結果は変わったと思います。
 よその陣営の人が言っていました。公費負担ゼロを目ざすAさんは確かに一石を投じたと。実際、Aさんスタイルは大津市議選始まって以来のことだったでしょう。それがここまでの有効性を示したのは、越市政を良くないと考える人々が、かなりの数に上るということのしょうこでもあるでしょう。それを見える形にしたところにもAさんの功績があったと思います。 その反面、市から素晴らしい課長さんが一人いなくなってしまいました。今後についてはどう考えたらいいでしょうか。
 しかし、Aさんに市長選挙に出てというのは、すこし短絡的かも知れません。Aさんが候補者として不適格というのではありません。もし、次の市長選に越さんとAさんが出るとしたら、Aさんのほうが百倍くらい適任者です。しかし適任者であることと当選者であることはイコールではありませんし、なんでも「A頼み」ではいけないと思います。今回の「盛り上がり」を支持者がそれぞれに振り返って、市政正常化のために自分でできることを考えるしかないのではないでしょうか。今のままで問題はないという判断もあるでしょうが。
 しかし選挙で代表を選ぶのは本当に難しいですね。大津市以外の事例を見てもそう思います。
 代表者と我々市民の距離は、現実には小さくありません。時に、テレビ、新聞によるイメージ以上のものを私たちは持ち合わせません。越市長の実像と虚像ということを書いたコメントがありましたが、多くの読者が何らかの「気づき」をしたのではなかったでしょうか。いろんなコメントを読みながらそのように思いました。Aさんが登場しない議会を、今後、私は注目していきたいと思います。そして越市長の市政運営にも注目したいと思います。私は行政に興味のない人間ではありませんが、やはり日々の仕事が第一です。
 今回、ブログでAさんの応援をすることによって、市議会にも越市長にも注目しようという気になったことが、私にとって成果みたいなものです。多くの人に大小さまざまな影響を与えたAさんの決断であったと思います。そのことは、大津市にとって絶対にプラスになったと私は考えます。Aさん、よくやってくださいました。次は市長選挙ですね、あ、違う違う、間違えました。でも何かの形で活躍してください。本当にお疲れさま。よくやってくださいました!

・今日でブログを閉じられるのですね。寂しいです。
 この一週間、Aさんのことを全く知らなかった友人たちにこのブログのことを教えて私なりに小さな輪を広げていきました。今夜、その友人たちから次々に「Aさん、本当によく頑張られましたね」「母も当選していただきたかった~と残念がっています」などと私にメールが届きました。友人から家族へ、そしてその知り合いへと「Aブログ」は広がっていったのですね。Aさんの信念、正義、勇気、人を大事に思う心に触れ、本当に充実した一週間を過ごさせていただきました。これから、自分に何ができるか、何をなすべきかを考えるきっかけにもなりました。本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。

 <転載者後記>
  敢えてかなりの分量を転載したのは、二つの理由によります。
 一つは、これらのコメントが越市政に対する率直な市民・職員の声として傾聴に値すると考えたためです。越市長に疑問を呈して立候補した元職員を支持する投稿が大半であることから、越市長に批判的な意見がずらりと並びました。市民の中には異なる意見もあるでしょうが、元職員が「一石を投じた」結果として受け止めるべきであると考えた次第です。
 もう一つの理由は、このブログが、またたく間にそのような市民の意見表明・交換の場として機能し始めたことに意義を見出したためです。ネット空間の範囲内とはいえ、これまで大津市政に関するこのような「情報広場」が立ち上がることは過去に例がなかったように思います。ブログの閉鎖を惜しむ声が聞かれたのは、投稿者が、よりよい大津のまちづくりを望む市民の存在をパソコン端末の向こうに感じ取ったことの現れではないかと推測されます。