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2015/11/25

55)大津のまちの歩み(その2)

 前回の記事(大津市政24)で60年間の都市像を振り返りましたが、若手市議の会の集まりに参加された方が当日の私の話を要約して本ブログに投稿してくださるという、ややこしくも有り難い事態となりました。要約は正確であり、ところどころにご本人の感想が付記されています。
 私は講演会で草稿なしに話した内容を思い出してここに書くつもりでしたが、この方のおかげで都市像変遷の説明はほとんど不要となりました。どなたかは存じませんが心からお礼を申し上げます。

 都市像の変遷をふり返って再確認したことでもありますが、恵まれた自然、国土における程よい位置、豊かな歴史文化遺産などが大津の都市としての基本的性格を形成しており、ポテンシャルともなっています。労せずしてこれだけの基礎があることに私たちは意識的であるべきだと思います。そして、これらの財産を大切に生かしながら、どのような政策でこの都市の質と魅力をさらに高めるのかがまず行政に問われます。

 ここで市民意識調査にふれますが、本年1月実施の調査結果では「暮らしの環境」の23評価項目のベスト5は(1)自然が豊かである、(2)自然災害や火災が少なく安全である、(3)静かで空気がきれいである、(4)京都・大阪に近く便利である、(5)自然や町などの景観が良い、です。1位から4位までは自然的地理的条件、5位はこれをベースに人為の要素が加わったものです。これらは毎回の調査でトップグループです。
 下を見ると、町なかにごみが少ない(8位)、子どもを産み育てやすい(12位)、買物が便利(14位)、散歩道や公園が整備され利用しやすい(17位)となっており、人の力で左右しうる項目の順位が低い(すなわちマイナス評価である)ことが分かります。
 ワースト3は、スポーツや趣味の活動が盛んである(21位)、公共サービスが充実している(22位)、まちに賑わいがあり活力を感じる(23位)です。
 市民は、都市の基本的性格を高く評価し、一方、人為の結果である「賑わいや活力の不足」や「公共サービスの充実」に厳しい目を向けておられるように思います。
 市民意識調査は政策実施の唯一の判断材料ではありませんが、都市のもつポテンシャルを生かしたまちづくりの重要性を改めて感じるところです。
 次回は「結の湖都」と越市政についてです。 

 なお、本日アップしたコメントに3歳児保育に関するものがありました。投稿者が「妻から聞いた話」として「志賀幼稚園で越市長が来年からの市立幼稚園での3歳児保育実現を明言された」というものです。投稿者自身が「伝聞の伝聞」だと慎重に断っておられ、歓迎の意を示しつつ今までは一体何だったのかと疑問を感じてもおられる様子です。
 保護者に向けての説明ならば一定の見通しのある話でしょうが詳細は分かりません。
 もし「来年からすべての市立幼稚園で実施する」ということであれば、保護者のニーズを踏まえた教育委員会のもっともな意見をずっと斥けてきた越市長は、一体どのような理由で方針を転換されたのでしょうか。越市長には関係者への説明責任があるでしょうし私自身も理由を伺いたいと思います。いずれにせよ事情が十分に明らかにされていないので今後の動向を注目していきたいと思います。