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2015/12/09

関係資料 9 「公文書消去事件」平成27年11月議会の質問・答弁

 さる12月7日のネット中継からの聞き書き(問答の要旨)です。

伊藤副市長
  当時、市長、茂呂前副市長及び私が協議し、当該文書は二役の共有する文書としてのみ扱うこととした経緯から、取り扱いの管理上の措置として当該文書を回収し、文書は全て紙媒体として保存しているものであり、公文書は消滅していない。

藤井議員
  2014年4月10日に茂呂副市長が、伊藤副市長の了解の下、春季主要事業ヒアリングの参考材料とするため、懸案の課題についての意見と市政運営についての意見を忌憚なく述べるように求める春季主要事業ヒアリングの実施等にあたってお願いという文書を、当時の部局長に照会をかけられた。4月から5月にかけ各部局長はこれに答え、率直かつ真摯に各自の意見を提出され、全員が提出された。茂呂副市長は各部局長の氏名をふせた上、5月中旬に自らの文責でこれらをとりまとめた。退任式の行われた5月30日、茂呂副市長は取りまとめた部局長意見を午前中、市長と副市長に提出され、市長は取りまとめた意見を部局長に共有するのであれば退任式を行わず、受け取らないとの立場を示された。

 先程副市長が述べられたのがここの一部の部分かと思う。しかし協議不十分であり、最終的に部局長意見を受け取られ退任式が夕刻行われた。その後、5月31日庁内ネットワークで各部局長及び政策監10数名の方へ送信され、6月2日このメール等が削除された。
 実際、二役の協議であったとしても、公用文書を電磁的記録としても、廃棄するということはこれは法令違反である。その部分についてもちょっとご見解をお伺いしたい。
 またなぜその二役だけの協議にする必要があったのかあという疑問もある。

 これはそもそも前副市長がそのセクションを超えて市政全般について意見をとりまとめて、それを全員で共有して大津市のためにみんなで考えていこうという目的をもった取りまとめ集であった。
 そして実際これを部局長全員に投げられたが、その点において私はなぜ二役だけにこれを限定する必要があったのか。ここのところが本当によくわからない。
 しかもいつその協議がされたのか、事前のその5月30日の段階では、茂呂さんが辞められる当日だが、協議が不調であったけども結局受け取られて、退任式も行われた。
 であれば、その時点においては全く問題なかった行為じゃなかったかと思う。この点についてお伺いを出来ないか。

伊藤副市長
  経緯的な部分についてはその通りかと記憶している。一方で5月30日の協議において、二役限りにするというお話は不調であると議員はおっしゃられたが、少なくとも私どもはそういう文書の扱いをするということで協議が整ったと認識している。
 そしてまたその理由として、なぜ二役の文書にしなければならなかったということについては、当時、二役の間でいろんな議論があった中で、議事録等も残っていないので、正確なところははっきりしないが、私の記憶の中で一つだけ申し上げるとすれば、主要事業ヒアリング等について担当部においてそれぞれの準備を進めていたところ、各部長に担当を超えて意見を集めている、このことであるが、まずはそういった主要ヒアリングにおいては担当部長と二役が協議をして担当部長が責任を持って事業を進めるという方針、こういった方針に非常にあわないというようなこともあって、市長と副市長限りの文書とするということにしたと記憶している。

藤井議員
  私はこれは最高責任者である市長が答えるべき、しかもこういう時期なので市民に開かれた、そして負託を受けようとする立場であるのであれば、自ら答えなければいけない問題かなと私は感じる。
 この問題というのはもう一人の伊藤副市長は了解していたわけである。ここに文書があるが副市長が了解を得た上で、主要事業ヒアリングの照会をされたということであった。そもそもなぜこれが行われたといえば、市長が部局長の新規事業ヒアリングのとき、これまでもその主要事業ヒアリングなどの場では、ほとんど発言の機会を与えずに、自分のまあ言ったら興味がある、関心があるテーマばかり取り上げようとする、言ってみれば市に関する市政というのは、本当にそれだけじゃなくて、様々な問題があるが、そういった問題を広く取りまとめて市長に対して提言書、そしてそれをセクションを超えて、セクショナリズムが弊害だということもあるので、より部長級の中で意見、理解を深めていこうということから行われた問題であったはずである。そこで、副市長自体はこういったことはよく理解された上であったと思うが、市長自体はどういう見解なのか。

越市長
  まず事実関係については今、伊藤副市長にも確認したが4月10日の時点で伊藤副市長は了解をしていない。全く私や伊藤副市長に相談や連絡がなくてされたものである。そういった中で主要事業ヒアリングについては、先程副市長が言った通り、担当部が責任を持って進めるという方針とあわないため、二役での協議の文書としたということである。
 それ以外でそこで議論されたことを私が記憶している限りで申し上げると、そのように私や伊藤副市長に相談や連絡がなく一方的に部局長に対して意見照会を行われたということで、部局長からもそのことに対して疑念やまた不安の声が私にも寄せられた。
 したがってそのような部局長の声を聞いてやはりこれは二役限りの文書とするべきだというふうに考えた。
 そして、法令違反じゃないかというところについては弁護士にも照会し、こちらは文書として今も保存しているので、そういった法令違反はないということであった。

伊藤副市長
  私は全く了解をしていないと言ってしまうとちょっと語弊があるので補足をさせて頂く。この主要事業ヒアリングを始めるに当たり、私の方から担当部署に事前にヒアリングをして、市長との主要事業ヒアリングの議論を深めたいという思いがあり、当時の茂呂副市長に相談した。そしたら茂呂副市長の方からはそれはいいことだと励ましを頂き、さらにでは私も色んなことについて各部長の意見を聞きたいので、私の担当の部長にも色々話を聞くということについて、いいかというお話しがあったので、それはどうぞということで了解をさせて頂いた。
 したがって、そういうようなことをしていくということについては、確かにそういう了解ということはあった、あの照会文書で照会をかけていくという形については、そこまでは了解をしていないということである。

藤井議員
 先程市長からは、これは公文書としては消えていないからオーケーじゃないか、セーフじゃないか、というふうなことがあったが、公文書とご存知の通り公用文書、若干違い、公用文書自体はいかなるものであっても廃棄してはならないという判例・通説がある。
 実際、その現物が残っていても、コピーを丸めて捨てた、こういった問題だけであっても、懲役刑になってるということがある。もう一度、問題ないのか見解をお伺いたい。

伊藤副市長
  この件については、公文書としても扱うということにしているし、またそういう意味では文書自体は保存しているので法令上問題があるとは考えていない。

62) 越市長にお尋ねします

 多数のコメントを拝見して感じたことを記します。知ることの善し悪しの話です。
 私は越市長の議会答弁を聞いて、関係者である私の視点からの事情説明を行うことも許されるかと考えて、二役協議の次第を記述しました。数時間後に予定されている退任式を取りやめるとか、会議室の使用は許可しないといった越市長のご発言に驚かれた方もあったことと思います。
 私自身にとっても婉曲にいうと「愉快な思い出」ではありませんでした。
 
 このブログは暴露や告発を目的とせず、「行政運営の実態を広く知らしめて大津市政に資する」ために行っていますが、舞台裏をさらけ出して何のメリットがあるのかとお感じの方もあるでしょう。
 また、隠れた美談を知って感激するならともかく、お粗末な真実にふれて失望や不快感を感じられる向きも多いと思います。少し控えてはどうか?言わぬが花。沈黙は金。
 そうした疑念への答えは一つ、プロセスの重要性ということです。
 これまで繰り返し書いてきましたが、市政運営、より大きく言うと「まちづくり」には、結果と同様にプロセスが大事です。それは、プロセスが結果の質を左右するうえ未来まで左右しかねないこと、プロセス自体がとりもなおさず成果である場合があることの二つの理由によります。
 本日のコメントに「正しいことは正しい手法でやるべし」とのご指摘がありました。私もまったく同じ意見です。

 だからこそ、主要事業や予算ヒアリングなどの協議経過(行政の意思形成過程)や市民センター、幼稚園、図書館のあり方の検討過程などが重要なのです。
 これらと比べると、昨年5月30日の二役協議の経過は些細なものですが、その背景に越市長は職員の声に耳を傾けてほしいという多くの職員の切実な願いがあったのです。
 4年で目に見える結果を出したいという越市長のお気持ちは理解しますが、それになじむものとなじまないものがあることを見落としてはなりません。

 本ブログをご覧の越直美市長にお尋ねますが、税金と職員という大切な公共財を使って自らの政治目的を達成しようとする首長が備えるべき「責任感」、「自制心」、「自分の権限に対する畏れ」をあなたはお持ちなのでしょうか?
 就任4年目にしてかつて副市長であった者からこのような問いかけを受けるという事態をどのようにお感じでしょうか?
 次も同じような市政運営を続けられるおつもりなのでしょうか?
 多くの市民や職員が知りたいのはこういうことであると私は思います。 

 私はブログの記述にあたって名誉棄損と守秘義務違反に最大限の注意を払ってきました。専門家の意見も仰ぎましたが、私自身が基本とするのは、事実に基づくこと、「守秘」によりもたらされる利益と損なわれる利益を比較衡量することの2点です。今後もこうした方針でやっていきます。

 ご参考までに越市長の指示に基いて行われたと推定される「公文書消去事件」をめぐる議会でのやりとりを掲載します。
                   ⇒ 平成27年11月議会会議録(要旨)