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2020/07/19

120)公文書裁判~7/16公判の結果

 公文書の廃棄・捏造・隠ぺいはあったのか?越直美前市長はどう関わったか?疑惑に満ちた「大津市公文書裁判」が7/16、大津地裁で開かれました。判決がまだなので「疑惑」と書きましたが越市長のもとで公文書の廃棄・捏造・隠ぺいが行われたことは事実で、それゆえ私も昨年11月に証言を行いました。まず、その後の経過を振り返っておきます。

2019.11.19 損害賠償請求訴訟の証人尋問。結審。判決日は2020年2月25日と決定。

     12.26 第2次公文書非公開取消訴訟の口頭弁論。大津市の書面回答が決定。

2020. 1.19  市長選挙。佐藤健司氏が元人事課長を破り当選。

    1.30  原告が最終準備書面を提出(元人事課長が虚偽証言を行ったと指摘)。

    2. 3  第2取消訴訟において原告から市に当事者照会(内部調査を要請)。

    2. 4  市が第2次取消訴訟の口頭弁論延期を申し出。 

    2.13  地裁から原告に損害賠償請求訴訟の判決延期の通知(3月17日に)。

    2.19  大津市の訴訟代理人弁護士が交代。

    2.28  情報公開にかかる議員研修。講師(情報公開審査会元会長)が本訴に
         関わる越市政の対応を強く非難。「我々は騙された」と発言。

    3. 3    市議会で本訴にかかる市の内部調査につき質問。対応すると市長答弁。

    3. 5   地裁で訴訟進行協議。当事者照会(市の内部調査)の回答期限の延期に
        ついて合意。原告が既に結審した損害賠償請求訴訟の再開申し立て。

    3.13  地裁が3月17日予定の損害賠償請求訴訟の判決取り消し(延長決定)。

    4.13  原告が損害賠償請求訴訟についても当事者照会を大津市に提出。

    7.16  第2次公文書非公開取消訴訟、損害賠償請求訴訟。

 終わりかけの訴訟(損害賠償請求)と始まったばかりの訴訟(第2次公文書非公開取消訴訟)。ともに問われているのは越市政下における公文書の廃棄・隠蔽・捏造の有無と態様ですから、これらを一体的に審理しようという今回の決定は合理的です。市長交代に伴って「隠ぺいから究明へ」と大津市の姿勢が変化したことが背景にあるものと考えます。

 さて、今回の裁判の内容(原告代理人弁護士から伺った話)です。
 2013年3月に大津市職員と右翼団体が市役所内で不当要求を行った記録の公開請求を受けた大津市は、これまで「記録が有るか無いかも答えられない」→「記録はない」→「あったけれど廃棄した」と説明を翻してきました。市長交代後の内部調査の結果、この記録の存在が明らかとなりました(元人事課長が作成して供覧され、私を含め複数の職員が写しを保管していた公文書ですから当然の話ですが)。

 また、市長であった越直美氏から公開請求文書の廃棄を指示されたにも関わらず、心ある職員の手によってそれが密かに保存されていたことが分かりました。おそらくこの職員は深く悩んだことでしょう。その結果、市長の利益ではなく市民の利益を守る道を選びました。そのことに私は敬意を表します。それが公務員だと思うのです。
 したがって元人事課長は公務員(正確には元公務員)と呼べません。その責任は本人にありますが、その地点まで彼を導いてしまった(或いは追い込んでしまった)うえ、自分の後継者に指名したのは越直美氏です。後継者が選挙に負けたことは、大津市にとって幸いであったと思います。
   
 裁判の今後ですが、原告側から市に対し、質問への回答だけでなく調査報告書全体を提出すること、事実の再確認(認否の整理)を行うことの申し入れがあり、市は8月末までにこれに応じることとなりました。越直美氏は当時の市長として一連の疑惑について説明責任を負っています。越氏は法廷で証言を行うべきです。


<タケニグサ>












 



2020/07/16

119)7月16日は公文書裁判です!

 前大津市長越直美氏による公文書廃棄・改ざん疑惑をめぐる裁判が、本日(7月16日)大津地裁で開かれます。市長交代などの理由から延期されていたもので、原告代理人弁護士にお尋ねしたところ、「原告の照会に対する大津市の回答は、前人事課長が証人尋問で証言した事実を完全に否定する内容であり、それ以外にも重要な事実が含まれている。公文書廃棄については前市長が関与した可能性も窺われるらしい。」とのことでした。

 7月16日(金)大津地裁 10時30分~ 第2次公文書公開取消訴訟 口頭弁論
             11時 ~  損害賠償請求 口頭弁論

 記事アップが一日遅れてしまいました。私は傍聴できませんでしたが、情報を得たらここに掲載します。

 <オオフサモ>



2020/07/15

118)コロナお見舞い

 大津市職員の皆さん、お元気でしょうか?110年を超える市の歴史で初の庁舎閉鎖という緊急事態があり、その後も大変な状況が続いています。医療、衛生、保健その他の部門で働く方々のお顔を思い浮かべ遠方から声援を送っていました。また、ブログをご覧の市民の皆さまにもお変わりはございませんか?昨年末に記事を中止してからずいぶん多くの出来事があり、本当に何から始めてよいやらわかりませんが、ざっと振り返ります。

 市長選挙で越前市長の後継者が敗れ、佐藤健司氏が当選されました。市民の皆さまが正しい選択をされた結果だと私は思います。越氏は、自分が後継者を応援していることを市民が知らなかったことが敗因だと語りましたがそれは負け惜しみ。もしそうならば票差はもっと開いたでしょう。

 佐藤市長は就任後すみやかに前市政のいびつな過不足の修正に着手され、存続が決まった市民センターはコロナ禍の中でさっそく安心の地域拠点として機能しました。教育委員会との相互不信も解消されたでしょうし、病院、企業局、市場などとの関係も健全化に向かっていると思います。杉江副市長も佐藤市長を支え職員とのパイプ役となって活躍されることと存じます。私の8年の憂いが晴れました。

 さて、このブログは「公」の視点から越市政(私自身が2年にわたり深く関与し責任の一半を負っている越市政)について考えることを目的としており、越氏退陣によって一段落しました。佐藤市長の市政運営について私が論評する資格も筋合いもなく、今後は一人のOBとして大人しく応援させていただきたく思います。
 越市政の継続を阻止するため出馬された佐藤市長ですから、集団の英知を尊重し、目的と手段の双方を大切にし、丁寧な市政運営を進めていかれるものと信じております。
 もう一つ、佐藤市長におかれては、越市政の置き土産、すなわち公文書廃棄や改ざんの数々についても厳正に検証し対応されるであろうと信じます。それは市民に対する大津市の責務であると考えます。

 今後、このブログは継続中の二つの裁判の動向についてご報告します。(近く公判があります。)裁判で真実が明らかとなり正義が回復されたら、私も心置きなくページを閉じることができます。
 ついでながら、越氏の新聞連載記事(ガラスの天井への挑戦記)は、ご本人の意図とは別に、個人の動機と公務の公正性をめぐるケーススタディとなっており、日を改めて一言述べたいと思います。
 メディアにとって越氏は依然として「利用価値」があるとしても、相対化の視点を欠いたまま、この手の私的な物語を連載することの妥当性に疑問を感じます。そういえば滋賀の暮らしを始めた「エッセイスト」の日記風地域紹介も同類で、滋賀版であることを差し引いても紙面がもったいない。朝日新聞大津総局の紙面づくりのセンスは疑問です。

 これからポツポツと書く記事の同伴者は、昨年の「動物シリーズ」の撮影者である友人の写真で今度は「葉ものシリーズ」です。存在の尊さによる生物ランキングでは、食物連鎖と逆に、植物、動物、人類となるというのが私見です。しかも2位と3位の差が大きい。海、陸、大気と、地球環境を乱されても植物、動物は受忍するのみです。しかし、異常気象やコロナウイルスの形で私たちも罰を受け始めているのかもしれません。
 これは何かの葉ですが、友人の教えをまって名前を添えたいと思います。
 (→たぶん「クワズイモ」だが大きな声で言わない方がいいかも、とメールにありました)