また梅雨がやって来ました。どこにも豪雨被害が出ないことを祈ります。豊かだけれど湿潤な東アジアモンスーン気候です。西洋にジューンブライドなる美しい言葉があるのは、かの地に梅雨がないことと関係しているでしょう。アヅマも私も同じ年の6月生まれですがこの時期ばかりは「西洋いいじゃないか」と思います。アヤハディオで「お花・苗木2割引き」のプレゼント券をもらいブルーサルビアを買いました。しばらく室内で楽しんで庭におろします。
バンダナ教授・上脇博之氏が兵庫県知事らを刑事告発したので「桐生あれこれ」を延期します。告発は誰でもできることといえ、私なら目立つことのリスクや慣れない手間ひまを思うだけで気が萎えます。思い切って清水の舞台から飛びおりても一市民の告発などスルーされるかも知れません。というわけで私は上脇氏に心から敬意と謝意を表します。同氏については記事262・裏金講演会をご参照下さい。
おさらいですが第三者委員会は、「知事らはパソコン内の元県民局長の私的情報をつかんだ」、「元総務部長はそれを議会筋に流せば内部通報の信用性が薄れると考えた」、「知事も同じ考えで元総務部長に根回しを指示した」、「ついで副知事も同じ指示を出した」、「そこで元総務部長は複数の議員に情報を伝えた」と認定し、知事一人が関与を否定しています。
以下は私見です。元県民局長が公用パソコンで私的文書を作成したのは目的外使用であり、それが執務時間内に行われていたなら「職務専念義務」の違反です。本来なら知事はこの点を本人に確認し注意するべきでした(懲戒マターではありません)。しかし知事はこれを飛ばして保身に走りました。議会への「根回し」の後も当該情報について「わいせつな内容であった」との見解を公けにしました。
第一に、知事が指示したのは間違いないでしょう。知事部局と県議会は、県民の幸いをめざすという高い目標で一致しますが、仕組み上は完全な別組織であり、またそうでなくては双方の職責が果たせません。もし両者が「なあなあ」、「ずぶずぶ」の関係にあっても、一職員が独断で知事サイドの重要情報をもらすことはありえません(根回しが成功するかどうかもその時点で不明だったはず)。これは公務員の常識だし部外者にも頷ける話でしょう。
しかるに斎藤氏は「自分は指示したという認識はない」と言い続けています。彼がいちいち「認識」の言葉を使うのは、本件を事実でなく認識の問題にすり替えることが目的で、バレた時への備えです。彼は元官僚ですが、官僚という人種が自己保身のためにいかに驚くべき知恵を発揮するか、私は市役所時代の見聞により嫌というほど知っています。これは知事主導の組織犯罪(守秘義務違反)です。
第二に議会のだらしなさに落胆します。上述のとおり知事を糺すのは議会の役目ですが、兵庫県議会はSNS世論にたじろいで責任を放棄しています。事態収束を図ろうとする知事の給与削減提案は何とか継続審議としましたが、姑息な時間かせぎをすることなく知事に辞職勧告を行うべきです。その際に議会全会派の総意として「SNSなどによる言論の暴力を断固として許さない」とのコメントを出すべきです。
あきれたことに県は県で、内部情報が漏れたことについて容疑者不詳のまま刑事告発を行っています。知事らが内部通報者(元県民局長)を探し出した経過が週刊文春に漏れたことと、元県民局長のパソコンの中身がSNSで拡散されたことが許しがたいというわけです。しかし一つ目(情報漏洩)は、それ自体が「公益通報」です。二つ目(情報拡散)は、維新からNHK党にくら替えした二人の「恥知らず県議」の仕業であったはず。県の告発は斎藤知事の目くらまし戦法でしょう。
ここまで書いたところで斎藤元彦に厳しくビワマスに優しいO君からメールが来ました。私が「おい今回の件どう思う?」と聞いたので、いつものべらんめえ口調で(しかし丁寧に)答えてくれました。彼の了解を得てその返事をのせます。どうみてもこれがメインディッシュです。
<O君のメール>
~ 斎藤元彦の悪徳性はとっくにもう確定済みやんか。あいつがどう悪いかはいろんな人がちゃんとしたこと言うてはる。俺がいまいちばん考えたいのは、なんで兵庫県はあんなにあかんたれやねん?ということ。
82人の弁護士さんが違法と考えてはるわけで、それだけでめっちゃ違法やてわかるやんか。
そこまでの出来事、ほんまは自浄作用で乗り越えなあかんのに、情けない話や。上脇先生のおかげで県議会は楽できたやろと思うわ。むしろ地方自治体ってそんな程度の正義感か?と俺が茂呂から教わりたいくらいやで。
ベランダ越しに、いや越しはあかんな、ベランダの向こうにしとこ。近所の屋根やら道路やら見てるわけや。雨は降っとるけど穏やかで安心できる光景や。理不尽発生を予測しようもない景色で、なんの心配もない。兵庫県のことがあって以来、この安心感は市政のおかげやと思い始めてん。草津市が法令遵守で公正に仕事してくれてるちゅうこと、べつにわざわざ思わんでも思うてるやんか。法が法の通りに実現されてこそのもんやで。法を法の通りに実現するのが行政の役割やと思うねん。
県議の内心は多かれ少なかれ斎藤元彦かもしれへん。職員の内心は多かれ少なかれ井ノ本千明(元総務部長)かもしれへん。そやし、元県民局長とか竹内県議とか、真っ直ぐな人の知事批判が命と引き換えにならざるを得んかった。そういう気がするわ。けど、兵庫県だけやないやろ。現に大津市がそうやったわけで、真っ直ぐな人は天職を捨てて戦わざるを得んかった。
会社でもそうやった。支店長と所長が手を組んで伝票操作をして、実際以上の営業成績を作っとった。そんなん絶対にあかんと俺が言うたら、一発アウト。めっちゃイジメられたで。的確な叱責もあったけど。
これな、言うたら叩かれるかもしれへんけど、兵庫県の場合、阪神淡路大震災の復興と無関係やろか? 道徳の尊重とともに結実した復興もあれば、道徳の乱れとともに実現した復興もあった、と思う。きれいごとだけでは復興が進まへんたやろし、大きなお金が動き続けたやろし、誰がどれだけ得できるかの競争もあったと思う。
あっちを立てればこっちが立たずで、職員や県議は何が最善かわからんままに、理念をだいじにしながら仕事する余裕がなかったと思うわ。これが30年間続いて来た。どう言うたらええのか、花より団子というのか、マキャベリズムというのか、黒いネコでも白いネコでも鼠を捕るネコがいちばんええネコの処世訓が広がっていったかもしれへんなと思うねん。これが斎藤元彦誕生の胎教やったかもしれへんし、斎藤元彦続投の生育環境かもしれへんなあ。あんまりまとまりのない話やけど俺はこう思うなあ。~
以上がO君のメールです。市役所OBの私にも耳の痛い話です。一見して草津市職員にマルが、兵庫県職員にバツがついているようですが、注意深く読むと、彼が両者を等分に眺めていることは明らかです。私は、公務員の「隠れた労苦」にも思いをはせようとするO君の親身なマナザシを感じます。阪神淡路大震災における公務員の殉職(警察、消防に限らず)も踏まえてのことでしょう。
それにしても「ベランダ越し」には思わず苦笑しました。ギャンブル症者のミーティングにならって聞きっぱなしで終ります。
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