安倍晋三氏にならって高市首相も「世界の真ん中で咲き誇る国」と言いました。やはり並みの人ではありません。まるでローマ帝国(他にモンゴル帝国、大英帝国、スペイン帝国、ロシア帝国など)の皇帝の亡霊のようです。すこし小粒ですが「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」という藤原道長の心情に通じるものもあります。
また「世界でもっとも偉大な日米同盟」と高市首相は言いました。言い過ぎです。どさくさ紛れに防衛費の前倒し増額も口にしました。こうした勇ましい発言が世に受けています。内閣支持率は高いし、日経平均株価も上昇、5万円を超えてクス玉が割られました。私もアヅマも株とまったく無縁の暮らしでしたが、こんなことならどこかの株を買っておけばよかったと内心思わなくもありません(いまさら始めませんが)。
トランプ氏へのオモテナシも過剰でした。首脳の個人的関係が大切なのはもちろんだし、特に相手は小児的で計算高い独裁者ですから「トランプシフト」の必要性は理解します。政府関係者も苦労したことでしょう。それにしても日本はいちおう独立国であって高市氏はその首相です。親しさの中にもう少し「対等感」を出して欲しかったと思います。高市氏がトランプ氏を肩でついたり原子力空母の上でぴょんぴょん跳びはねたは「国辱」だし、ノーベル賞の推薦にもげんなりしました。
この滞在中、トランプ氏は自前の特別車両から市民に手をふり(歓迎一色、デモもなし)、高市氏と仲よく特別ヘリに乗って六本木の基地から横須賀基地に飛び、並みいる兵士らの前で高市氏の肩を引き寄せました。両氏とも軍事同盟イケイケです。トランプ氏にとっては対立と銃があふれる米国内での遊説よりずっとくつろげる日本だったことでしょう。裏庭感覚です。「ここはいい『州』だぜと」感じているに違いありません。
商談も進みました。日本有数の企業のトップらが夕食会で貢ぎ物を発表しました。契約書はまだにしても60兆円の投資です。企業にとっては手をあげなければ儲けるチャンスがないけれど、話が具体化するにつれトランプ関税のように無理を言われる可能性があります。この大金を別に使ったほうが国や企業のためになった!という事態が生じないことを祈ります(どこに使ったらよいか見当もつきませんが)。
つい悪口めいたことを書きましたが米国との関係は大切だし、今回の首脳外交はおよそマルであったと思います。ただ巨大な隣人である中国との関係も同じく大切です。台湾有事で米軍が出動しても危ないのは米国本土でなく日本です。一本足打法(昔なつかしい響き)はだめでしょう。そのためにも平和憲法があるはずです。これを変えるなどもってのほか。トランプ氏が大事なのは米国(米国民の票)であることを忘れてはならないと思います。問題はこれからです。
高市氏はトランプ氏から手土産をもらったかどうか知りませんが、私からはSMAPの歌「世界に一つだけの花」をプレゼントします。
~ 花屋の店先に並んだ 色んな花を見ている 人それぞれ好みはあるけど どれもみんなきれいだね この中で誰が一番だなんて 争うこともしないで バケツのなか誇らしげに しゃんと胸を張っている(中略) そうさ僕らは 世界に一つだけの花 一人ひとりちがう種をもつ その花を咲かせることだけに 一生懸命になればいい(中略)小さな花大きな花 一つとして同じものはない ナンバーワンにならなくていい もともと特別なオンリーワン ~
アヅマのいた研究室の学生の結婚式に招かれ、この曲のギター伴奏をしたことを思い出します。ピアノと沖縄の三線も加わって会場は大合唱になりました。もう20年以上まえの話です。

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