2023/10/01

217)3つの出来事(③ ケーキ)

<松本1丁目のケーキ>
 毎度のように記事の間隔が空いていますが、夏の盛りに3週続けて訪れた「ちょっといい出来事」の最終回です。8月はじめ、大津市役所に勤める若い友人から「仕事上の相談がある。美味しいケーキを持っていく」と連絡があり紅茶を用意して待ちました。醸造・蒸留した液体を好む私ですが、美味ならば甘いものも大好きです。先回りして言うと滋賀県庁の近くにあるその洋菓子店のケーキはどれも個性的で「予告」を超えるおいしさでした。その日の分を売り切って閉めるお店のようです。

 ところで「仕事上の相談」の中身は「来年3月退職の挨拶」であると私はスルドク見抜いていました。その人は「あの部署にはあの人がいるから安心」と思わせる人で私の助言は今さら不要です。辞めたら私が惜しむと知っていて早めに仁義を切ってくれるのだ、不意をついて老人を驚かせないための配慮である、このように私は推測しました。第一の目的は、ケーキが好きであった妻への久々の挨拶(ありがたいことです)、二番目は退職の挨拶。ならば私は筋違いの慰留を控え、新しい出発を祝福しようと思いました。

 いや、これが、お恥ずかしい、とんだ勘違いでした。炎暑の日、その人はケーキ(その他いろいろ)を持って元気に現れ、イスに落ち着いて近況報告を始めました。どの部署も継続的な課題に加えてここ3年はコロナに振り回されています。控え目な話しぶりからもその人が管理職として変わらずに活躍していることが察しられました。しかし早く本題が聞きたい。思い切って私は、これまでいろいろ職場に貢献されたがもう辞めるのか、と尋ねました。

 するとその人が言うには、辞める気などまったくない、さらに頑張るつもりだ、しかし旧来の仕組みや職場意識では今の切実なニーズにとても対応できない、部局をこえた動きが必要だし最低限の予算・スペース・人員なども確保したい、簡単な話ではないから事を進めるにあたってのヒントがほしいとのこと。私は安心し、次いで大変嬉しくなりました。

 その後のやり取りは省略しますが、その人が、社会の変化や施策の流れをしっかり踏まえて自分の職務をとらえ、市民のために市役所は何が出来るか、自分はどう動くべきかについて考え続けていることがよく分かりました。嬉しい話です。私は辞めて10年過ぎるので大津市役所のことを「我がこと」のように云々するのはいい加減によさなければなりません。それを承知で言いますがこんな人がいることは幸いです。これが3つ目の話です。
 佐藤市長は行政全般に通じておられますが、それぞれの現場から上がって来る声に今後ともどうか丁寧に耳を傾けて頂きたいと存じます。これまた僭越でございました。

<番外編・浜松のウナギ>
 静岡のエコパスタジアムでラグビーの試合を見よう。それにあわせて友人に会い、帰り道に浜名湖でウナギを食べよう、と私たちが相談したのが3、4年まえのこと、コロナですべておじゃんになりました。この話を覚えていた静岡の友人がこの6月、浜名湖のウナギ(白焼きとかば焼き)持参で久しぶりにわが家に来てくれました。もちろん吟醸も忘れていません。

 彼は医師であり同業者から飲酒を禁じられている「ドクターストップのドクター」です。私もかけ離れた状況ではありません。しかしこの日はウナギをサカナに二人で杯を重ねました。ふだんは美味しいものに気が向かずキャンプのごとき料理ですから、たまのご馳走は値打ちがあります。今回はそのような「食べ物づくし」となりました。どの人達からもしっかりせよと無言の激励を受けました。老骨にムチを入れなければなりません。
 写真はこの友人の手によるものです。いろいろ送ってくれたのでしばらく使わせてもらう予定です。










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