西武1階の食品売り場のレジの列に並んだら前に立つのは見覚えのある紺のスーツの背中に脂っぽい髪、思い切って安倍さんですかと声をかけると振り向いたのはまさにその人。よしこの際だと思い、人類が新型コロナに打ち勝った証しとしてオリンピックを開くと言ったことの責任をどう取るのですかと問いかけると、私はですね、人類に、人類にですよ、新型コロナが打ち勝った証しとして開催するとこう申し上げたわけであります、と淀みない答え。なんとそうであったかと合点したら枕がはずれて目が覚めました。外は薄明、激しい雨音、まったく寝覚めの悪いことで、、。
菅首相も施政方針演説でこのセリフを本来の形で踏襲、世界規模の人の流れを引き起こし税金も医療資源も吸い上げて五輪が開かれ、次はパラリンピックが控えています。極上の羽毛より軽い昨今の政治家の言葉ではありますが、安倍氏、菅氏はじめ政権内部の人々は、この言葉の責任をいかに引き受けるのでしょうか。未知のウイルスとの戦いには誤算がつきものとは言わせません。政府は国民の数十倍、数百倍の情報を有し、絶大な権力を握っています。それを国民のためにいかに適切に行使するか、諸外国の実例をざっと眺めただけでも日本政府が逸したあの手この手が並んでいます。
とりわけ問題なのは、政府の諸対策のスピードの遅さ(検査体制、ワクチン接種、病床確保、困窮者支援など)と、国民へ語りかける言葉の貧しさ(人との接触を最低限にすることについての心に響く真摯な要請と理由の説明の欠如)です。ちなみに「県境を越える移動の自粛要請」も県内移動を許容するメッセージとなりかねません。
いま東京では感染者の9割以上が入院治療を受けられないと言われていますが、このままでは他の都市もそうなるでしょう。入院できない人を「自宅療養者」と称する政府の報道を垂れ流すマスコミも問題です。バファリンとアイスノンと体温計だけで一体どんな「療養」ができるのか。臥して重症化を待ち、失われた命が既にいくつもあるではありませんか。
一人暮らしの人の心細さはどれほどか、一方で家族のある人は自宅が「感染媒介所」となりかねません。先日は「自宅療養中」の出産で赤ちゃんが亡くなりました。こうした事態をどのように受け止めているのか、これからどうするのか、菅首相の棒読み、誤読ではない自前の言葉を聞きたいと切に思います。それがあなたの責務でしょう。昨日の横浜市長選で菅首相の推した小此木氏が敗れました。当たり前です。みんな怒っています、深く悲しみながら。
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