大津市政15~教育行政~中学校給食

 大津市は、食生活を通じた児童生徒の健全育成、さらには子育て支援、親の就業機会の確保などの理由から共同調理場方式による中学校の学校給食導入を決定しました。
 今まで「愛情弁当論」による中学校昼食を堅持してきた教育委員会ですが、全国の自治体の多数が中学校給食を実施している中、これまで給食実施の内部検討を行ったこともあり、突然の方向転換というわけではありません。この項目は中学校給食導入の是非を云々するものではないことをあらかじめお断りしておきます。

 学校給食は、子どもの栄養摂取や栄養教育、食に対する感謝の気持ちの醸成、食材を通じた地域産業への理解促進など「食育」の効果が期待される反面、基本は一律提供ですから個々の子どもの体格差や嗜好の違い等をどこまで適切にフォローすべきかが問題であり、また給食残飯(残滓)の大量発生が深刻な課題となっています。
 さらに食物アレルギーへの対応や食材の安全性確保、食中毒のリスク管理など共同調理場方式による学校給食のあり方には数多くの懸案事項があるのも事実です。

 これまで大津市が一部の中学校を除き学校給食を実施していなかったことに対し、PTAからの給食導入要望もありましたが、当の中学生の6割超は実は家庭弁当を望んでいる状況です。
 また、越市長が導入されたスクールランチは利用率が大変低いものの、それを是非とも必要とする家庭にとっては保護者の負担軽減になっていると思われます。

 こうした中、学校給食移行については、教育委員会自身が5年後を目途に実施する方針を決定したと聞きますが、前述した課題等について具体的な検討協議が十分になされたのかまったく不明です。しかも、調理場建設に必要な用地の確保など具体的な条件整備もないままに早々と市長から公表されたことにも違和感を覚えます。

 そもそも弁当づくりは保護者にとってどれ位の負担なのか、保護者と生徒とのコミュニケーションツールとしての弁当の意義についてはどうか、食育を担うべき栄養職員の人数やその指導方針について議論したのか、一番の当事者である生徒の意見はどのように反映されたのか等々、課題や疑問は尽きません。
 建設、運営に多額の税金を投入する給食導入は、市としての重要な政策決定です。ここで指摘したような数々の課題について本当に内部で熟議されたのでしょうか。これまでの越市長と教育委員会の協議の実情を知る私としては大きな疑念を抱かざるをえません。
 これは政治日程をにらんだポイント稼ぎではないかと勘ぐる複数の声も聞きました。
 合併特例債と同様に中学校給食の導入も明らかに説明不十分です。
 越市長は市民への説明責任をしっかりと果たされるべきであると考えます。



18 件のコメント :

  1. 明らかに選挙目当てに見えます。

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    1. 選挙目当てでいいじゃないですか。よくありませんか?
      報道によると、大津市の中学校給食実施を望む保護者は7~8割です(京都新聞・朝日新聞 2015年2月10日付)。その意向に沿った決断であることを市長は大いにアピールすればいいし。もっといえば、有権者の希望が自分を介して市に伝わったことをアピールしなくてはなりません。市民に対する自分の貢献度をはっきり示すべきです。
      選挙目当てといえば聞こえがよくないけれど、越さんでいくかぎりは中学校給食が間違いなく実施される見込みが有権者に伝わったと考えれば、次期市長選の判断材料が提供されたことになります。

      明らかに選挙目当てだと越市長を揶揄したところで屁の突っ張りにもなりません。

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    2. うーん、選挙目当てでしっかりと実現すればいいのですが、スクールランチの二の舞になるのが不安ですね。
      確かにうちの子供たちが中学生になった時に給食となっているとありがたいです。
      ですが、そのお金は?
      給食センターを一ヶ所作るための調査費用が確保されただけですよね?
      北部は?各中学の搬入口などは?
      何も計画されてません。
      ぶちあげて、予算額厳しいので検討中でずっと引っ張る。
      越市長の常套手段では?
      マニフェストで掲げた高齢者対策、幼稚園の3歳保育、選挙目当てでぶち上げて、検討中で4年引っ張りましたよね?
      貢献すると言ってしませんでしたよね?
      間違いなく実施されるなんて、妄信ではと思うのです。
      しっかりとした市役所の予算や計画の裏ずけもない、選挙目当てのパフォーマンスに期待出来ないのでは?
      と、思うのです。だから屁の突っ張りぐらいにはなるのではと思うのですが。

      だからこそ、選挙目当ての給食実施アピールなんて不要なんです。
      選挙目当ては屁にもなりません。
      選挙目当てでない、質実剛健なしっかりとした計画とお金の裏ずけのある、実施の確約が欲しいのです。
      繰り返しますが、選挙目当てかどうかは個々人が判断したらいいと思いますが、選挙目当ての実現性が疑わしいパフォーマンスは信用ならんのです。


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    3. 中学校給食の実施に係る経費は、調理場の建設費を含めて20億とも30億とも言われていますが、そのお金はどこから出てくるのでしょうか?市長がポケットマネーで出してくれるなら、何の文句もありません。しかし、実際は道路補修費とか耐震改修費とか、地味で目立たない経費を削って捻出されるのではないのですか?
      住民税を只にしてくれることを望む市民は7〜8割以上でしょう(多分)。その意向に沿った決断をしてもらうことはできませんかね。選挙目当てで構わないので・・・。

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    4. 選挙目当てでいいので、幼稚園の保育料を3倍にするのを取りやめて、三年保育を直ぐに実施して欲しいです。
      大津市のこどもの約半分が幼稚園に通ってます。選挙効果抜群なんで、議論とか不要です。今直ぐやって欲しいです。
      選挙目当てでも全然いいです。今すぐ実現してくれるなら。

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    5. 屁の突っ張りにもならんと書いた者です。
      私の乱暴な言い方にもかかわらず丁寧なご返信を頂戴しまして恐縮至極です。
      ご意見を読ませてもらいまして、選挙目当てというのは、屁の突っ張りにもならない揶揄ではないとk轅直しました。もうちょと重たいなんかでもオッケーの適切な批判だったんですね。申し訳なかったです。

      茂呂氏の記事を読むと、中学校給食実施にはいろいろ解決すべき事柄があることが分かります。
      でも、日本全体を見渡せば、現に中学校給食が広く実施されています。
      よその多くの自治体がクリアーできた課題をうちの大津市はいまだにクリアーできていないのか。問題解決能力がそんなに低いのか。これは多くの人に共通の落胆だと思います。

      それだけに、たとえぶち上げだけの中学校給食実施宣言であっても、市長が越でよかったと有権者に思わせる効果は大きいだろうと推測しています。本来は、おっしゃるように、「質実剛健なしっかりとした計画とお金の裏づけのある実施の確約」でなくてはならないのですが。

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    6. 仰る通りだと思います。
      確かに実施の宣言は現市長だからこそでしょう。
      ただ、越市長の選挙での実施宣言に期待して投票した者としては、この四年は失望としか言えません。
      中でも子育ては酷いものです。
      マニフェストの幼稚園の三年保育。全国でもメジャーです。そして国も推進しています。
      でも大津市は?公約に掲げた後に何か進展があったでしょうか?給食のような宣言があったでしょうか?
      ありません。
      待機児童解消。ゼロ達成と宣言されましたが、私の周りには保育園に入れない幼稚園に入れない友達が沢山います。数え方違いだそうですが、それこそパフォーマンス。というか、子供は数字じゃありません。

      そういった点で、選挙目当てのパフォーマンスは信用ならない。
      越市長の公約や宣言は信用ならないと書いた次第です。
      それに、どうも記事を読んでいると中学校給食も信用ならないように思います。
      私は次期市長選挙でも幼稚園の三年保育、中学校給食の実施の公約を掲げた方がいれば、その方に投票します。
      でも、それは決して越市長ではありません。彼女の言葉は裏付けがなく信用ならんからです。

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    7. 幼稚園の3年保育、待機児童解消、中学校給食実施、そして高齢者福祉。
      いずれも大津市政のウイークポイントだと私も思います。

      市長が代わればこれらが実現されるのか、市長が代わっても大津市には無理なのか。
      誰が市長でも大津市には無理だというのなら、どの候補が公約にあげようがいずれも空手形です。

      市職員の方々、このへん、正味のとこ、どうなんでしょ?

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  2. いつもは茂呂氏の意見に同調しながら読んでますが、今回に限っては、同調しにくいことを正直にお伝えします。

    この話は、まず教育委員会だと思います。ここに様々な懸案事項が列挙されていますが、では、教育委員会はそれら懸案事項を充分に検討しないまま決定に至ったのでしょうか。
    この記事からは、教育委員会の決定プロセスが中途半端なものだったから市長の決断時にも懸案が懸案のままで残存していたように受け取れます。したがって、5年後を目途に実施するという教育委員会の方針は、やると決めてからいろいろなことを考えればいいという姿勢だったのではないかと思われます。
    もし、そうならば、大津市教育委員会はそれ以前の5年間いったい何をしていたのか?です。

    文科省の統計資料で全国の中学校給食実施率推移をみますと、平成20年度には完全給食がすでに75%を超えています。ミルクだけなどなんらかの給食を実施している率では86%に達しています。給食に伴う懸案事項は大津市だけのものではなくて全国自治体に共通の事柄ばかりですが、それぞれの自治体がそれぞれに判断を下して実施に至っているわけです。いまになってやっとその判断に至った大津市教育委員会の内実はいかがなものでしょうか。

    茂呂氏は「愛情弁当論」を堅持してきたと教育委員会を援護されています。しかし、結局は他自治体との横並び重視で中学校給食実施を決めたのですから、それならば、「愛情弁当論」が真に信念といえるまでの意志であったのか、あるいは単に怠惰の隠れ蓑であったのか、もっと厳しい目を向けたくなります。

    ひょっとしたら首長に主導権を奪われても当然の力量ではないのかと、私は教育委員会の緊張感を懸念します。
    たしかに教育委員会の独立性は保たれるべきです。しかしながら、どれだけ首長から独立できるかもまた実力勝負だといえないでしょうか。

    内部の事情を何も知らないで言っていることですから、私に間違いがあればどなたか教えて下されば幸いです。




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    1. 長くなりますが、中学給食については、前市長時代にPTA連合会がアンケートを基に実施要望をされています。なので、選挙戦でも争点のひとつになっていました。上のコメントで20~30億という数字が出ているのはその当時の議会答弁で、はっきりした数値ではないが、多額の経費が掛かるものなので、どのような実施方法が良いかを検討する旨の中でのものです。その後、越市長になり、学校の改修を要しないデリバリーでのスクールランチの検討となりました。これに係る調査においては、小中学生は家庭弁当がよい、保護者は小学校と同様の給食がよい、教員は家庭弁当がよい、という結果が出ています。そこから、なぜスクールランチの実施に至ったかは、給食方式だと時間も費用もかかるから、保護者の願いに答えるためデリバリー方式で実施すると市長が答弁しています。平成24年度で準備し業者選定、平成25年6月から開始となり、利用率は平成25年度1.34%。平成25年2月の議会答弁では、前教育長がスクールランチの定着と中学給食については長期的な課題としたいと答えています。それが1年後には、給食実施に向けた調査を行うと市長が答え、その春には前教育長が予算要求で市長と意見が合わず辞任。平成26年中に老朽化の著しい東部給食調理場の建替えと併せてセンター方式で実施するのが一番経済的とした報告がまとめられ、平成27年1月の教育委員会では5年後の完成を目指すことで報告されています。しかし、27年2月議会で市長は平成30年度での完成をと答弁しました。この時点で、事業費としては建設費として約40億、ランニングコストとして4億弱の数字が示されています。
      給食の実施の決定だけを取らまえるなら、政策判断として是認されるものかもわかりません。教育委員会としては、平成23年度までは「愛情弁当」の果たす教育的意義から給食を実施しない方針でした。PTA連合会のアンケート結果を受け、検討を始めることを平成23年度に決定しています(前々教育長が答弁)。給食実施には多額の経費が掛かる、それも永続的に、学校の改修が必要(全校)、子どもたちと保護者の意識の違いがある、給食を実施するとすると昼休みの時間変更が必要でありカリキュラムに影響する、といったことから多角的に検討するべき問題であった。その後、市長が交代し公約であった給食を進めるための準備室の設置、その時点で弁当デリ方式での実施検討となります。スクールランチの実施も拙速であったが、その効果の検証もそこそこに市長から給食実施への方針変更が決定された、最大18000食といった大規模なセンター方式はあまり例がなく課題検討しにくい、当初5年程度かかると予想されたのも用地交渉等が非常にスムースに進められた場合であるにも関わらず前倒し実施で答弁されている、という状況でしょうか。しかも、これだけの経費を伴う事業が平成27年度予算編成時の中期財政計画に反映されていないのに実施決定しているのは、予算編成権を盾にした暴走以外のなにものでもないのでは。現在、用地については交渉中と聞いていますが、目途はついていないようです。整備スケジュールについても議会で質問されていますが、担当課に責任をこかしたような答弁で終わっています。

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    2. 中学校給食未実施の背景、越市長の実施宣言が言っただけに等しい理由、よく分かりました。ありがとうございます。次期市長選で中学校給食実施を公約に上げる候補がいたら、越市長並みに信用なりません。大津市はイチから中学校給食を考えなおすべきですね。だって、私達の身体は自分が食ったもので成り立っています。ましてや、育ち盛りの中学生。どんな昼飯がいちばんいいのか、とても大切な話です。

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    3. 中学校給食は可能です。
      時間をかけて丁寧に行程を踏んでいけば、必ず。
      でも、それでは時間がかかる。
      平行して、スクールランチの質の向上、学校毎のニーズによる対応の変化などが必要ではと思います。
      出来るところからやればいいのです。
      全ては計画と行程。
      というか、10年以内にはなんとか出来るのでは?本気なら。
      平成30年なんて空手形か、できても質の悪い中身無茶苦茶のもの。もしくは民間委託とか言ってるかもしれません。
      眉に唾つけて聞く必要があります。

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  3. 給食の検討は過去に行われましたが実施を前提にしたものではなく一般的なものであったと記憶します。いざ大津でやるなら検討項目の整理からはじて絨毯爆撃的にしらみ潰しにやるべきですが、今回はそこまで指示が出ないなかで、いきなり実施を前提にした検討が行われたと考えています。これから五年間に検討すればいいのでなくて、その道を選ぶ方針決定があまりにも急でした。トップダウンもいいけれど二階を建てず三階を建てるようなやり方は越市長の指示によります。結論にいく手前がずさんです。なんでそこまで焦ってアピールせなあかんのですか?現場無視、手順無視、マスコミ狙いの市長のパフォーマンスのせいで現場は混乱です。結局は市民につけが回るのに。

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    1. たぶん、何もかもそうなんでしょう。
      いきなり実施の命令が出て、それに合わせた結論ありきの検討の指示。だから何もかもパフォーマンスと思われるんでしょう。
      それと、やる気がないのに、実施しますといって、検討中でずうっと引っ張る方法もあります。
      共通するのは、いきなりインパクトを持って表明し、注目を浴びること。
      でも、その後は知らんぷり。

      長い目でみて必要でも自分の任期と人気に関わりがない庁舎問題などは一切無視。
      というところですね。たぶん。

      また、それを追求すべき議会がだらしない。
      選挙で選ばれたところの直近の民意なのに、、、議会活性化とか内向きに拘って満足してるようでは。
      議会の活性化より、大津市の活性化では?どつち向いてんねん、の怒りを通り越して情けない。

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  4. 給食調理場の用地はどこですか?所有者の承諾は得ていますか?見込みがないなら空手形を切らないで!

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    1. え?
      見込みないんですか?
      土地の確保もまだとか嘘ですよね?

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  5. どなたかのコメントに有りましたが越さんはどうあるかより、どう見えるかを優先しているとしか思えません。パフォーマンス政治家です。誰しもその傾向はあるが越さんはやり過ぎ。被害者は市民です。待機児童がいま何人か、働きたいのに預かって貰えないひとが何人か、担当の人勇気を持って教えてください。公文書請求すればおしまいですが。

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    1. これもどなたかがコメントされてましたが、3歳は1000人とか書いてませんでした?

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