2024/01/04

224)能登地震と羽田事故

 岸田政権が原発の再稼働どころか新増設まで言い出したのは昨年のこと。年が改まった初日に能登で大地震がありました。亡くなった方の数が時間の経過とともに増えています。阪神大震災の直後に「高齢者が垂れ下がった電線で感電した(とりあえず被害者は1名)」と報じられたことを思い出します。被害が大きいほど初期情報が不足することを改めて痛感します。ともかく早く救助が進むよう祈るものです。

 「何か起こったらすぐ行政のせいにする」ことを私はしませんが、災害対応が一段落したら政府はじめ関係自治体は、これまでの減災対策の妥当性を真摯に検証する必要があります。「がんばろう」や「絆」の掛け声でごまかしてはなりません。少なくとも現段階で自明であることは、原発(原子炉、配管系統、燃料プール、再処理工場、中間貯蔵施設、最終処分場等々)は「豆腐のような日本の国土において特に危険きわまりない災厄の元でしかない」という事実です(記事218「10万年の決断」にも書きました。同じことばかり言いますが)。

 今回、北陸電力は、志賀原発に異常なしと発表したあと「冷却海水の水位が3メートル上昇していた」と訂正しました。危険水位ではないと最初は頬かむりするつもりだったはず。電力会社の安全情報はえてしてこんなものです。原発は電気をつくる装置でありながら外部から電気をもらって冷やし続けなければ爆発します。自家発電装置がうまく動いても(福島第一では水没)燃料パイプや炉心への電力供給ラインが切断されたらおしまいです。個々の原発も私たちの社会も、共に高い塀の上を今のところは落ちずに歩いているに過ぎません。

 気候対策のCOP28で原発の発電量を3倍に増やすという方針がまとまりました。あえて言いますが狂気の沙汰です。政府は国内需要以外に原発輸出で金儲けを企んでいます。フクシマの後でもなお! 顔に小便をかけられてもけろっとしている蛙のような岸田氏一人のせいではなく政権も社会もタガが外れたように見えます。自民党キックバックもその一環であり、能登地震では早くもSNSで偽情報を流す人々がいるようです。

 1月2日には羽田空港で飛行機同士が衝突しました。どうやら海上保安庁側のミスのようですが、ここでも人命が失われました。JAL機に乗っていたペットも助かりませんでした。この事故と直接関係ありませんが、羽田空港に隣接する「横田空域」のことを思わずにいられません。これは1都9県の上空にまたがる米軍占用エリア(高度2400~7000メートル)であり、羽田空港の離着陸機はこの空域を回避しなければなりません。安全面で明らかにマイナスです。

 オスプレイが日本の空を我が物顔に飛び回るのも、墜落したオスプレイを調べられないのも、米軍人が日本の民間人を殺しても罰せられないのもすべて根っこは同じ、日米地位協定や政府と米軍の定例会議(合同委員会)での協議に基づいています。辺野古の代執行も米国の利益代理人である今の政権にとっては当然の道筋なのでしょう。さきに「何でも行政のせいにしない」と書きましたが、しかし、政府の責任を問うべきことは実に沢山あります。それらは私たちと未来の世代にとって重要な問題ばかりです。今年もこれを念頭において記事を書きたいと思います。
 
 今回は花の美しさから発展して物を見るということを書くつもりでしたが、地震と事故にふれないわけにいきませんでした。次に回したいと思います。 最後に付録があります。


~ 桐生から ~
 昨年は3百日ほど桐生(金勝アルプス)に行ったでしょうか。最高峰の天狗岩でも509mという低山ですが町なかを歩くのと違って心が安らぎ空気は美味です。知らない道はもうありません。私の正道を極めること大谷選手のごとく裏街道を探索すること安倍派のごとし。ところが帰宅して「今日はこうだったよ」と話しかけても白猫はあまり関心を示しません。そこで駄文の追加になりますが時々こうした断片を書きたいと思います。「徘徊老人日記」というタイトルを思いついたのですが、趣味が良くないし不適切だよという声が心に聞こえて止めました。

 さて桐生の山道の特徴はアップダウンが多いこと。富士山や三上山(近江富士)のような円錐形の山は行きは登りだけ、帰りは下りだけとシンプルですが、桐生の地形は複雑で登り道に多くの下り坂があって稼いだ高度が度々目減りします(もちろん下山時は逆)。また前にも書きましたが、ずっと上の方まで石垣や階段などの人工物があり、山頭火なら「分け入っても分け入っても人の庭」と言うでしょう。しかし円熟の境地に達した私にはそれもまた好もしく思われるのです。





 

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