大津市政 22 ~越市長は今後どうなるのか~

 越市長は、今後、新自由主義的な考えを持つポピュリストとしての傾向を強めていかれるだろうと
私は思います。
 その理由は、まず、越市長がこの政治手法でうまく行っていると認識しておられるであろうこと。
 いじめ対策、英語教育、待機児童対策、中学校給食の実施方針など市民の興味を引くテーマに絞って専門家の意見を聞きつつスピーディーに進めていく姿勢は確かに分かりやすく、支持を得やすいものではあります。
 いじめ対策は世間の注目を集め越市長の看板施策になったうえ、大津の出来事を契機として国でも教育委員会制度の見直しが進められました。英語教育も待機児童対策も長期評価は別として、ともかく現状が動いたわけです。
 これらの陰には、施策の重点化に伴うシワ寄せ、現場の混乱、議論不足による内容不備といった見逃せない課題があるのですが、外から分かりにくく、越市長ご自身も気に留めておられるように見えません。

 二つ目の理由として、失礼ながら越市長の「耳を傾けない」という資質を挙げさせていただきます。自分が正しいと信じ、かつ、他人の言うことに耳を貸さなければ、路線は変わりようがありません。越市長は、ご自身の市政運営をより良いものにする機会を日々逃しておられる気がして残念でなりません。一方で越市長はご自分なりの努力をされるわけですから、上記の傾向は強まらざるを得ないと思うのです。
 このブログでは越市政の様々な側面に光を当て、いくつもの出来事を振り返りました。それに対して実に多くのご意見をいただきました。私はこれらを見直して、多くの事実や意見をつなぐ一本の糸があるように感じます。
 今後、越市政の特徴は、良くも悪くもますます顕著なものになると考えています。

 「結局は資質の問題ですね」
 越市長を知る多くの人々と話す機会がよくあるのですが、たいてい会話の最後に、誰かがため息まじりに口にするのがこの言葉です。
 思考パターンや政治的思想などの問題も重要ですが、最も重要なのは「人としての資質」であると実に多くの人が考えています。

 最後に、民主主義とは何かを自問し続けている作家高橋源一郎の言葉をご紹介します。
 いわく、民主主義とは、意見が通らなかった少数派が、それでも「ありがとう」ということのできるシステムである。
 これは、民主主義の核心を平易に述べた名言であるばかりでなく、対立する利害の調整を誠実に丁寧に行うべき行政の心構えを表す言葉でもあると思います。 
 そして越直美氏は、残念ながらこの言葉とは縁の遠い市長であると私は考えています。

1 件のコメント :

  1. 高橋源一郎さんの「僕らの民主主義だぞ」でしたか、勝って読み始めたら、途中から難しくてツイていけなくなりまして、放り出しました。近頃は、「ありがとう」といえる政治に出遭ったことがありません。とくに超高齢化社会では、多数派年寄りが少数派年寄りを踏み台に生きていく政治では困ります。

    茂呂さん、この数ヶ月、おつかれさまでした。まだ終わったわけではありませんが、選挙が近づけば近づくほど、言い難い話も出てきますでしょう。それに読む方も、この話はどの候補を支持することになるのかの興味になってしまいます。それでは逆に、このブログの魅力が殺されます。

    礼に始まり礼に終わる柔道、フナに始まりフナに終わる魚釣りなどいろいろありますが、茂呂氏の越市長論は資質に始まり資質に終わりました。資質は、いちばん大切なのにいちばん見えにくいところです。本当にありがとうございました。

    結局は資質であるのは、なにも越市長に限った話ではありません。日本全国、首相から学級委員までのことです。いま自治会の回り持ちで青少年委員をやってますが、ヨメさんから「あんたは資質に問題がある」と言われてまして、「あんたが会合に出たらまとまる話もまとまらへん。私が出とく」になっています。
    数々の越市長批判、自分のことを言われているようでした。解りすぎるほどよく解りました。

    アフリカの原住民のことわざだったと思うのですが、「ひとりで行くと早く行ける。みんなで行くともっと遠くまで行ける」というのがあるそうです。

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