2019/11/10

95)回答書(2/2)~市の対応への感想~


~以下は「回答書」の後半部分です~ 

(7) 本件の公文書公開請求・個人情報開示請求に対する大津市の一連の対応について、どのような感想を持ちですか。


(回答)
これらの文書は、すべて一つの出来事を発端に次々と引き起こされた複数の事象に関する市の記録であり、市が作成していない「怪文書」も市が供覧、保管した事実があるため、これも含めて相互に密接な関連を有する一連の公文書です。
大津市が、これらの文書の存否すら明らかにせず非公開・不開示としたことの不当性はすでに陳述書で申し上げたとおりで、当時副市長であった私も責任を免れません。

私の退任後、市の処分は不当であったという最高裁の判断が示されましたが、せめてこの時点で越市長は自らの処分の誤りを認め、適切な措置を取られたらよかったのにと惜しまれます。

そして先ごろ、これらの文書はすでに廃棄処分したと市が発表しましたが、もし事実なら、惜しいどころか信じがたい暴挙です。繰り返しますがこれらの公文書は、職員同士の刑事訴訟に関わるもので、かつ処分未了の不当要求行為の克明な記録であり、さらに本訴の中心的な書証です。

一方、市にとっても、司法判断に優越する自らの判断の「正しさ」を証明する証拠書類です。これらの文書の保存年限も明らかにせず廃棄し、その時期も不明、携わった職員も不明だというのは、あまりに杜撰であり、かつ、きわめて不自然です。 
書類をシュレッダーにかけても通常はパソコンに元データが残っており、録音データも残っているはずです。それまで消去したとするなら、杜撰な反面、たいへん念の入った廃棄処分ということになります。市民への説明責任は一体どうなるのでしょうか。

私は元職員として断言しますが、大津市の公文書管理は適正に行われています。これは特異で少数の例外です(例外の中には、私が在任中に作成、配布した公文書が越市長の指示で回収、廃棄され、元データまで消去された事実もあります)。
市長が真実を明らかにしようと本気でお考えなら調査はいくらでも可能ですが、それにいっこうに着手されない以上、隠ぺいの意図があると指摘されても仕方ありません。
これらは公(おおやけ)をないがしろにし、市民に背く行為であると私は考えます。


3 平成25年3月22日の不当要求行為に関連して、以下の事項についてご教示ください。

(1) 同日の不当要求行為を行った大津市職員A又はその父親Bに対して、大津市が処分をした事実はありますか。


(回答)
職員AおよびBに対し処分がなされたという事実は、少なくとも平成25年3月22日の事件発生から平成26年5月31日の私の副市長退任までの間はありませんでした。
これは、職員が勤務時間中に外部の人物とともに威嚇的な言動により不当要求を行った悪質な事件です。

私は、市長に対し、この事実を隠さず正しい対応をすべきであると繰り返し進言しましたが、情状酌量の余地がある等との理由により聞き入れられませんでした。そこで私は退任の際、後任の副市長に対し特に留意するべき2つの重要案件の一つとして文書で引き継ぎました。
今日にいたっても、市長はこの案件に正面から向き合おうとされていません。


(2) 仮に大津市がA又はBに対して同日の行為について口頭注意処分をした場合に、その事実が当時の副市長であった貴殿に対して報告されないことはあり得ますか。


(回答)
AまたはBに対する口頭注意処分の事実が私に報告されないことはありません。
当時、私は大津市懲戒審査委員会委員長でしたから、私が関与しない処分はあり得ません。AやBの上司が「少しやりすぎだぞ」などと注意くらいはしたかもしれませんが、上司の指導と市の処分はまったく異なります。市は、処分が行われたとの誤解を招きかねない用語を使用すべきではないと思います。


4 大津市(職名省略)〇〇〇〇氏の平成31年1月31日付け陳述書(乙第2号証)には、貴殿について言及した記載もあります。
〇〇氏の陳述内容について感想等があればお聞かせください。

(回答)
かつての大切な仲間たちと対立の構図となることは極めて残念ですが、私はただ真実を申し上げるのみであります。3点に分けて申し上げます。

1.本件の非公開、不開示の決定に私自身も同意していたとの解釈について

本件については、公開・開示請求が出されたことを職員課がまず市長に報告していました。それは、公開、非公開の決定は市長の判断一つであることを職員が理解していたためで自然な流れであったと思います。
当時、職員課の職員は、Aおよび「加害者」とされる複数の男性職員の事情聴取を行ってメールや写真の提供も受けていたため、それらの情報を適正に公開することが事実解明に役立つと考えていました。職員課から詳細な報告を受けていた私も同様の考えでした。

「市長が公開は絶対あかんと言ってはります」という残念そうな職員の報告を、私は1度ならず聞きました。もちろん私も市長に対し、個人情報の保護などに十分に注意したうえで公開するべきであると申し上げましたが、まったく耳を傾けていただけませんでした。

副市長として決裁拒否をするわけにもいかず、表面的には混乱もなく非公開の決定が行われました。この決定には私も責任を負っていますが、当時の事情は以上のとおりです。(なお、保有個人情報開示請求に対しては部分開示の決裁文書に捺印したはずであることは、先に述べたとおりです。)

2.私のブログ(大津通信)と陳述書について

私は、ブログや陳述書を事実に基づいて記述し、客観性と公平性にも十分に配意しました。その目的は、前者においては市政運営の実態を広く明らかにすること、後者においては、司法の判断にまで反する市の公文書の取り扱いに関して私の体験に基づき意見を述べることであり、どちらも公務のつもりで取り組みました。

すでに現役を退いた私ですが、公への尊敬の念と、仲間である職員の皆さんへの連帯感は今も少しも失っておりません。ブログや陳述書が越市長への個人的な感情にゆがめられているとする〇〇氏の意見は見当違いです。
人を貶めるとはこういうことをいうのです。


3.〇〇氏と職員の皆さんへ

原告は、法に基づく権利の行使として大津市に要求を行っておりその主張は正当です。しかし現実問題として、市役所に身を置きながら絶対的な権力をもつ市長に異議を申し立てることには大きな精神的負担が伴い、また表立って応援してくれる仲間も少ないと思います。しかし、どう読んでも、原告の主張の中に職員を貶める意見は含まれていません(〇〇氏の陳述書に「原告の主張は職員を貶めるものだ」という趣旨の見解があったことを踏まえています)。権力を持つ者や側近は「強いものが正しい」と錯覚しがちであり、人一倍の自戒が求められると思います。

さて職員の皆さんは、日々の仕事の中でご自分が市民のために働いているのか、市長のために働いているのか、疑問に感じられる時があるかも知れません。その時にどう対処すべきか私見を申し上げます。
「市民のため」を全ての前提とする公務において、こんな疑問が生じるのはよほどの場合です。まずは法令等に照らし冷静に事態を見極めて下さい。

万一、自分の疑問が正しいと考えたら、信頼する上司に相談してください。上司の判断も同じなら、正しいと信じる方策を勇気と礼節をもって市長に進言して下さい。
万一、市長のご理解が得られない時は大いに悩まざるを得ませんが、その時に自分にできる最善の道を模索するしかありません。人によって道は様々でしょうが、真摯に考えることが公務員としての務めだと思います。

その際、あなたは、自分自身にもご家族にもかけがえのない存在であり、市民にとっても大切な人材であることをどうぞ忘れないでいて下さい。
偉そうな物言いは皆さんよりはるかに上の私の年齢に免じてお許しください。
以上
2019年3月26日

                            茂 呂  治

※以上が「回答書」です。




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