2015/11/12

50) 図書館について(それはないでしょう越市長)

 しばらく更新できませんでしたが、あるじが席をはずしている間に客人の歓談が盛り上がるごとく「情報広場」では図書館に関する連続コメントを軸として様々なご意見が活発に行きかいました。
 折から越市長が図書館は直営でいく(自分は当初民営化など考えていなかった)と表明されました。驚きです。これに目をふさいで先に進むわけにはいきません。今回は図書館と越市長の関係をふり返ってみたいと思います。

 図書館に関するコメントは、図書館運営協議会のメンバーで後に「図書館を考える大津市民の会」のメンバーともなられた一市民から寄せられました(11月8日)。克明、真摯、客観的な書きぶりで大切な記録であると思っていたら、ご本人もまとめての発表を望んでおられると分かったので本ブログの「関係資料」として転載することとなりました。
 そのやりとりで判明しましたが投稿者は長年にわたり文庫活動に携わってきた方で、私も存じ上げている人物です。そのコメントは私が内側から見ていた動きと符合するものであり、信頼するに足るものだと考えています。

 この方は、市民本位の図書館を目ざす立場から越市長の民営化路線に強い警戒感を抱き、様々な活動を展開してこられました。今回の直営宣言を歓迎しつつ、一方で「たまたま昨秋の議会で指定管理の質問があったのでそれを契機に民営化の検討をしてみたまで」と言わんばかりの越市長の説明に不信感をもち、いつ事態が逆戻りするかとの懸念を捨てきれないようです。事情をよく知る私も腑に落ちない思いです。

 昨秋の議会質問が民営化検討の契機であるとの説明は教育委員会の報告書にもあると聞きましたし新聞報道もされました。これを虚偽であると断ずるのはいささか乱暴かも知れません。外形的な「正史」としてはこれでよしとしましょう。
 しかし、私の見聞の範囲においても、越市長は昨秋の議会質問のずっと前から武雄市をモデルとして大津の図書館を賑わいの拠点にしたいとの考えをお持ちであったはずです。当時テナントを募集していた明日都の空きスペースをめぐってもそのような発言がありました。そのような経過をことさら隠す必要があるのでしょうか。

 越市長がお忘れかも知れないので、平成25年5月10日、越市長と担当副市長が揃って図書館に行かれた時の状況を記しておきます。これは越市長もご存知の事情により私が図書館長から聞き取った話をまとめたものです(当時市長にもお見せしてあります)。長くなりますが以下に引用します。

・これまでに他部局職員から図書館について聞かれたり、明日都の図面を見たりと断片的な情報に触れていたが、教委での議論も無い中で何が進行しているのかと不審の念を抱いていた。
・5月8日ごろ、秘書課長から武雄市出張の話を聞いたが、自分としては目的、必要性が全く理解できなかった。この時期に武雄市を視察することは指定管理導入の検討だと推測したが、そうした方向性は議論もされておらず館長として困った状況になったと感じた。そこで行く気持ちはないと返答した。
・5月10日に市長・副市長が来られたので、自分としてはこれまでの経過があるので緊張していた。市長から「なぜ行けないか」と問われたので、端的に行けない理由をお話しした。いきなりNOのお答えをする結果となったが自分としては問われるままに説明したつもりである。
・市長には、図書館として指定管理は考えていないこと、県の図書館行政の中でも考えたほうがよい問題であることも付け加えてお話した。武雄市に行くなら当初の賑わいがおさまり平常状態になる時期として1年経過してからがよいとも述べた。
・これに対し、市長から、やる気がないと見なして経費を削減するといわれたので、「急に来館されて厳しい事をおっしゃる」と内心思った。また「出張しないというだけで大切な予算削減にまで結びついてしまうのは解せないことだが、これは何とかしなければ」と考えた。
・職員は、これまで出張旅費を削られ続けてきた。視察のハードルは高いと感じてきた。特に遠方への視察は、趣旨目的が明確で代替手段がない場合に限られていることからも、自分として明確な目的意識を持っていくべきと考えたが、今回は、視察の理由が腑に落ちなかった。
・そうした気持ちの中で、あえて行くのは「時間の無駄」と発言したことについては、言葉が過ぎたと反省している。図書館を守らなければならないとの思いや心理的な圧迫感を感じていた。
・明日都の利用に関して副市長の強い意志を感じたが自分がそれとは違う考えであるので難しい局面だと思った。次長と二人で相談したいと申し上げたがその場で即答するよう求められた。
・自分にとっては重要な事項であり、そこまで言われることは理不尽のように感じ追い詰められた気もした。そこで市長のご発言も思い出し、「分かりました。誰かが行きます」と返答せざるを得なかった。
・図書館の運営や整備については、本館全体の運営、さらには市内全体での配置を考え、教委内で十分に協議を重ねていくべき重要事項と考えている。今回の件は、そうした重要事項について教育長や教育部長を通すことなくトップダウンで矢継ぎ早に進められるように感じて、おおいに疑問を感じた。(以下省略)

 引用は以上です。
 明日都の空き床問題はとうに解決し、このほど図書館の運営方法も決定されたことから差し障りのない部分だけを抽出しました。

 越市長、いかがでしょうか。内外の意見をよくお考えください。
 最初はコレコレの理由から自分としては民営化が相応しいと考えていた。しかし利用者や専門家に検討をお願いした結果、コレコレの理由から直営がよいとの答申を得た。また、この間の先行都市の事例を見るにつけ慎重に判断すべきだと考えた。そこで本市としては直営でいくことにする、、、、このようにと率直に仰ったとしても越市長を責める人はいません。

結果にあわせて出発点を変えるようなやり方は、市民説明の上でも組織運営の点からも不誠実ではありませんか。関係した市民にも担当した職員にも深い不信を残します。
 それは大津市にとって大きなマイナスです。直営と決まったから結果オーライではないと思うのです。越市政には他にも似たことがたくさんあります。深刻な状態だと思います。この件についてはこれだけにしておきます。

 他のコメントの中で市長選挙の候補者にふれたものがありました。
 一つは否定的評価を下しているもの、もう一つは私と候補者の関係を推測するもので、悪いのですが二つとも削除させてもらいました。
 本ブログの「情報広場」では誹謗中傷でない限り意見表明は自由でしょうし、私自身が候補者について論じることも許されます。
 しかし、私は、自由で中立的な立場から越市政を論じることを最優先とし、それを妨げるおそれのあることは一切避けたいと考えています。その意味からブログにおいて候補者と距離を置くつもりであり、投稿コメントであっても候補者について言及されたものは掲載しない考えであることをお断りいたします。
 越市長が出馬表明された場合、候補者越直美氏については言及しませんが、現職の越市長についてはこれまで通り論じていく考えです。

  関係資料 7  大津の図書館で起こったこと





 


2 件のコメント :

  1. 図書館長の「端的に行けない理由」とは何だったのでしょうか。
    また「視察に行く=決定」という考えは理解できなかったのですが、越市長はどこかで民営化の話をされたのでしょうか。よりよい状況になりうる可能性を求めて、動くことには意味があると思うのですが。

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    1. 「端的にいけない理由」、元館長の言葉を読めば、理解できることと思いますが・・・。つまり、少なくとも1年後、武雄が落ち着いてからでも遅くはない。また、今早急に本館館長が指定管理で成功例ともてはやされている武雄の視察に行くこと自体で大津が指定管理を検討していると思われるのではないか?滋賀県の図書館は公立で、しかも日本一の貸し出し数を誇っている。そちらとの連携こそを館長は望まれ、しかもそれこそが市民の図書館への道であったと思います。上の投稿者の方、「よりよい状況となりうる可能性を求めて、」とおっしゃっていますが、図書館と本屋さんは違います。視察に行った図書館職員の視察報告をお読みください。越市長が民営化の話をされたか?視察を断っただけで予算を減らしたり、指定管理を考えていないと答えただけで異動というのは、言葉に出す出さない以前の権力の乱用ではないでしょうか?

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